リリウムにハマった人が、次にどんなフィクションを摂取すればいいのか。



昼間書いた吸血鬼編に続いて、今回はギムナジウム編です。



ギムナジウムとは、ドイツ語で中等教育機関の学校のこと。


日本でいう、中高一貫校のことだとWikipediaさんが言ってました。



まぁそんな定義はさておき、ここではとりあえず「外界から隔てられた学校(寮)」的な意味で使ってます。


同世代の若者を閉鎖的な空間に閉じ込めるには、恰好の舞台なんですよね、ギムナジウムは。



リリウムの舞台は学校ではなくサナトリウム(療養所)ですが、実質似たようなものなので、ギムナジウムものの小説でパッと思い浮かんだものを列挙してみましょう。


リリウム要素があるのか……はともかくとしてw






まず個人的に偏愛するのが、恩田陸の『麦の海に沈む果実』。


麦の海に沈む果実 (講談社文庫)/恩田 陸

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これは大好きな小説です。


どれくらい好きかは、ちょっと前に再読したときに書いた自分の感想文をご参照ください。


ああこいつ、ホントに好きなんだな、というのが伝わってきましたw







それとちょっと似た雰囲気なのが、綾辻行人『緋色の囁き』。


緋色の囁き (講談社文庫)/綾辻 行人

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10年くらい前に読んだ本で、繭期をこじらせた自分はついこないだ再読してみました。


ヒロインの少女が、己のアイデンティティを見失って翻弄される、というのが良いね。


後半、とある人物が、その学校の生徒の古い集合写真を見て真相に気付くという描写があるんですが、そこがリリウムっぽかったw



ほとんどが女子寮での出来事なので、舞台化してもおもしろいんじゃないかな。


「赤色(緋色)」が重要なモチーフになってるので、そこをどう演出するかが難しそうですが。







それにさらに似た雰囲気なのが、乾くるみ『Jの神話』なんですが、これは大ネタがトンデモ過ぎるのであまりおススメはできませんw


Jの神話 (文春文庫)/乾 くるみ

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途中まではまぁ、『緋色の囁き』みたいな女子寮でのミステリーな展開なんですけどね。


「こいつ(作者)アホだ……」と感じることうけあいの結末。


これも10年くらい前に読んだ本ですが、いまだに「J」の正体は忘れられんよ。


変わり種が読みたい、という方はどうぞ。







お次は、ちょい前に読んで感想もアップした、森深紅『アクエリアム』。


アクエリアム (講談社ノベルス)/森 深紅

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こちらは、外界と完全に(情報的に)閉ざされたギムナジウムで、主人公の少女たちが徐々に世界の/自分たちの秘密に気付いていく、という展開。


「ここは私たちが思っていたようなところじゃなかった……」というのはリリウムでのチェリーのセリフでしたが、そんな感じの内容です。たぶん。



でもちょっと惜しいんだよねぇ。
つまらないわけじゃないけど、ノリきれなかったのも事実。


でもあくまで個人の意見なので、ぜひ御一読を。


決して悪くはないです。








続きまして、大ベテラン皆川博子の『倒立する塔の殺人』。



倒立する塔の殺人 (PHP文芸文庫)/皆川 博子

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と紹介してみたものの、自分まだ読んでないですこれ。


戦時中の女学校を舞台にしたミステリーで、ヤングアダルトとして出版されたものでした。



まだ読んでないけど、皆川さんのならつまらなくはないでしょうきっと。


みなさま読んで、感想をお聞かせください。(他力




皆川ミステリの女学校ものといえば、『聖女の島』もありますね。


こちらも買ったけどまだ読んでないッス。


積読しすぎ……。








あとはなんだろう。


もっとたくさんある気がするけど、いま思いつくのはこれくらいかな~。



ギムナジウムものって、国内作品が圧倒的に多い気がします。


翻訳モノでこういうのあるかな……?




映画については……うーん、これ系のもの、見た気がするけど思いつかないw


『桜の園』とかそれっぽいですけどね。予告しか見てないわ←


櫻の園-さくらのその-プレミアム・エディション [DVD]/福田沙紀,寺島咲,杏

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ミステリーとかホラーっぽい要素があるギムナジウム映画ってなんだろ。



まだ公開されてないけど、『零~ゼロ~』ってのがちょっとおもしろそう。






人気ゲームの映画化らしいです。見たいな。





映画に関しては、洋画のほうがある気がする。


……けども、具体的に思いつかない。


断片的に浮かんでるんですけど、ハッキリと思い出せない……うーむ。








まぁいいや。



とりあえずこのくらいですかね。



もはやリリウムでもなんでもない気がしてきましたが、あくまで「……っぽい雰囲気」のものということで。




こういう、少女たちが外界から隔てられた空間でミステリアスな出来事に翻弄される物語、好きです。


なのでリリウムは、そういう意味でもドンピシャで好みでした。




ちなみにリリウムにより近いフィクションとしては、このブログを書いてる人が書いた二次小説を読んでみるのもいいかもしれませんよ。(宣伝)



本編の前日譚を書いたので、今度は後日譚を書きたい衝動に駆られつつあります。


ほんのちょっとした小話。


激しい雨が降る夜、森に迷い込んだ人間が、古い洋館のような建物(※クラン)を見つける。


そこで出会ったのは、15~6歳の少女で……。



的なね。


特にこれといったオチのない話なので、妄想だけで終わるかもしれません。いや終わるでしょう。


妄想してるときが一番楽しいですよねこういうのは。


実際かたちにするのは大変なのだということを、二次小説書いて学びましたw










そんなこんなで、いまだにあの世界から完全には抜け出せない自分です。


ついつい、古今の物語にリリウムの影を探してしまうわ。




ぜひともこの世界の「次の物語」を作ってほしいです。末満さん。


その際には、リリウムに参加したメンバーの再登場をどうぞよろしくお願いしますm(_ _ )m








というわけで、永遠の繭期は終わりそうにありません。