野﨑まど 『死なない生徒殺人事件~識別組子とさまよえる不死』


死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死 (メディアワークス文庫)/野崎 まど

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死なない生徒殺人事件。


もうこのタイトルと設定だけで面白いのは決定したようなものである。




「永遠の命を持った生徒がいるらしいんですよ」生物教師・伊藤が着任した女子校「私立藤凰学院」にはそんな噂があった。話半分に聞いていた伊藤だったが、後日学校にて、ある女生徒から声をかけられる。自分がその「死なない生徒」だと言ってはばからない彼女だったが、程なく彼女は何者かの手によって殺害されてしまう―。果たして「不死」の意味とは?そして犯人の目的は!?



またAmazon丸コピですいません←





「永遠の命」を持つ生徒が殺される。


なんという魅惑的な設定だろう。
これが読まずにいれようか?




いつもながら分量は短めで、軽くて読みやすくてユーモアたっぷりの文章が心地いい。


そんな中で、これほどの技巧を凝らせることがホントに凄いと思うわ。






肝となるのは、「永遠の命」の正体と、その生徒を殺した犯人のフーダニットとホワイダニット。(誰がなぜ殺したのか、という意味)



永遠の命の正体がこれまたアナログで合理的な、しかしとんでもない奇想で驚いた。


しかしラストにはそんな奇想をひっくり返すほどの超展開が……ダメだこれ以上言えない。




伏線の張り方といい、誰も思いつかないような奇想といい、この作家は読者をとことん楽しませてくれるね。




おススメです。