森博嗣 『赤目姫の潮解』
赤目姫の潮解 LADY SCARLET EYES AND HER DELIQUESCENCE/森 博嗣

¥1,836
Amazon.co.jp
装丁からなんとなく予想はしていたが、これは『女王の百年密室』 『迷宮百年の睡魔』に続く《百年シリーズ》の三作目らしい。
確かこのシリーズは三作で完結すると著者が言ってた気がするのでこれで完結か、と思うけどどうなんでしょう。
やっぱりまだ続きます、という場合もあるので、明言はせずにおこう。
何より本作は、シリーズ前二作品とは趣向が大きく違う。
まず、シリーズキャラクターであるミチルとロイディが出てこない。(たぶん)
そして本作には、ストーリーらしいストーリーがないのだ。
赤目姫と呼ばれる美貌の女性。
付き従う2人の男は、それぞれ赤目姫に魅せられ、これまでの出来事を話し合う。
そこから物語は溶解していき、幻想と観念の淡いをゆらゆらとうつろうことになる。
ジャンル的には幻想小説だけど、とにかくどんどん話が観念的になっていき、ストーリーは荒唐無稽……というよりも、その体(てい)を成さなくなっていく。
詩的で哲学的。物語というより抽象。
ここまでの抽象性は、森作品の中でも随一。
人によっては途中で投げ出すだろうな、と思えるほどだ。
後半になるにつれ、おぼろげな筋は見えてくるものの、それもやはり重要なことではない気がする。
もはや面白いとか面白くないとかいう代物ではなくなり、ただ感じ、考えるだけである。
森博嗣読者としてはあまりおススメとは言い難いけど、こういう作風が好きな人にとっては楽しめるでしょう。
これを読んでダメだった人も、他の作品は普通に読めるのでそちらをどうぞ。
個人的には、森作品をいくつも読んできたから楽しめたかな、と思ったり。
著者の価値観に少なからず共感し興味を持っていたので、挫折せず最後まで読めました。
折につけ読み返したい本。
赤目姫の潮解 LADY SCARLET EYES AND HER DELIQUESCENCE/森 博嗣

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装丁からなんとなく予想はしていたが、これは『女王の百年密室』 『迷宮百年の睡魔』に続く《百年シリーズ》の三作目らしい。
確かこのシリーズは三作で完結すると著者が言ってた気がするのでこれで完結か、と思うけどどうなんでしょう。
やっぱりまだ続きます、という場合もあるので、明言はせずにおこう。
何より本作は、シリーズ前二作品とは趣向が大きく違う。
まず、シリーズキャラクターであるミチルとロイディが出てこない。(たぶん)
そして本作には、ストーリーらしいストーリーがないのだ。
赤目姫と呼ばれる美貌の女性。
付き従う2人の男は、それぞれ赤目姫に魅せられ、これまでの出来事を話し合う。
そこから物語は溶解していき、幻想と観念の淡いをゆらゆらとうつろうことになる。
ジャンル的には幻想小説だけど、とにかくどんどん話が観念的になっていき、ストーリーは荒唐無稽……というよりも、その体(てい)を成さなくなっていく。
詩的で哲学的。物語というより抽象。
ここまでの抽象性は、森作品の中でも随一。
人によっては途中で投げ出すだろうな、と思えるほどだ。
後半になるにつれ、おぼろげな筋は見えてくるものの、それもやはり重要なことではない気がする。
もはや面白いとか面白くないとかいう代物ではなくなり、ただ感じ、考えるだけである。
森博嗣読者としてはあまりおススメとは言い難いけど、こういう作風が好きな人にとっては楽しめるでしょう。
これを読んでダメだった人も、他の作品は普通に読めるのでそちらをどうぞ。
個人的には、森作品をいくつも読んできたから楽しめたかな、と思ったり。
著者の価値観に少なからず共感し興味を持っていたので、挫折せず最後まで読めました。
折につけ読み返したい本。