ところで例の『Top Yell+ハロプロ総集編』を立ち読みしてきたわけですが(買えよ)、夏先生のインタビューが興味深いです。


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現在の振り付け師といえばYOSHIKO先生ですが、かつては「モーニング娘。の振り付け=夏先生」でした。
いや、今でも世間的にはそのイメージが強いのかな。



そんな夏先生から見た、現在のハロプロ。



いくつか印象的な言葉がありましたが、一つは娘。について、「そんなに言うほどダンスが凄い?」でしょうかね。


これは別に現娘。をdisってるわけではなくて、夏先生からすれば、ダンスそのものの凄さで言えばプラチナ期のほうが、あるいはいーがーるずみたいなダンスグループのほうが上ではないか、と。


フォーメーションダンスは全体で形成するダンスが凄いのであって、個々人の振り付けが高レベルというわけではない、といったことでしょうか。



それは同感。
前にも書いたけど、「モーニング娘。のダンスが凄い!」という紹介はちょっと違和感があって、できれば「モーニング娘。のダンスがおもしろい!」と言ってくれたほうが合ってるんじゃないかと思います。


恐らく夏先生もそういうことが言いたいのでしょう。そういうことにしておきましょう←



そもそも現在のフォーメーションダンスは、個々人のスキル不足を補うために編み出したものでもあると、どこかでつんく♂さんも言っていたような。


夏先生も認めるところの鞘師・石田の2人はともかく、プロから見たダンススキルに関しては、今の娘。全体がプラチナ期よりも高いレベルまで来ているかと言われればそれはちょいと違いますよ、と。





先日の『モーニング娘。55スペシャル!』放送後に、とあるまとめサイトで「なんだプラチナ期凄いとか言われてっけど今のほうが断然凄いじゃん!プラチナたいしたことないじゃん!」的なスレが立ってたんですが、果たしてそうなのでしょうか?



確かに見た目の派手さというか、「お~凄いことやってるねぇ」と思えるのは現在のフォーメーションダンスのほうかもしれない。


でもそれは「凄いように(特徴的に)見せている」のであって、本当の「凄さ」とはまたちょっと違う意味合いなんじゃないかと思ったりもしました。




加えて、プラチナ期の凄さというのはなにもダンスだけではなかったということも理解してほしいところ。


別に、モーニング娘。はダンスグループというわけではないはず。


これはもう一つの夏先生の印象的な言葉なんですが、モーニング娘。はダンスグループである前にボーカルグループなんだ、と。


ダンスの先生である夏さんが言うのはちょっと驚きですが、「モーニング娘。は絶対に生歌で歌ってほしい。ダンスの前に歌が大事」といったことを仰っておりました。そこがハロプロの強みなんだよ、と。


そういえば55スペシャルのOGインタビューでも、安倍なっち先輩は「ワンフォーはダンスが凄いです。でも歌のほうも、魂入れて歌ってほしいですね」的なことを言ってたっけ。(現メンの歌をdisってるわけではない)




プラチナ期の何が凄かったかといえば、歌もダンスも表現力も含め、見てて圧倒されるパフォーマンスなんですよね。



わかりやすい例を出すと、この『HOW DO YOU LIKE JAPAN?~』とか。






これと同等かそれ以上のパフォーマンスが今できるかと言われたら、数名のメンバーは肉薄できるかもしれないけど、全体的にはやはり劣るだろうというのが個人的見解。



今のハローでここに一番近いグループは、やはり℃-uteでしょうか。


歌もダンスも表現力も、基礎的な部分が強い。



でもそれは当然と言えば当然のことで、さゆ以外は2~4年目の年若いメンバーばかりなんだし、そもそもプラチナや℃-uteと比べることがおかしいのかもしれません。


現メンバーは今、その基礎を作っているところ。


まだそこまでのパフォーマンスはできないからこそ、先述したようなフォーメーションダンスという「全体で作り出す魅力」を打ち出しているわけですから。




今のモーニング娘。が「フォーメーションダンス」を売りにしているのは、それが「わかりやすい凄さ」だからでしょう。


ダンスに疎い素人でもすぐに理解できる凄さだし、名称もあるから売りにしやすい。


実際「フォーメーションダンスが凄い」と世間にアピールできて、結果、新しいファンも増えてきてる。


これは、プラチナ期ができなかった(やらなかった?)ことです。


事務所も、「ひっそり玄人向けのことばかりやっていてはダメだ」と学習したんでしょうかねw



しかしそれはあくまで表面的な特徴なのであり、本質的な「ダンスの凄さ」には直結しないというのは理解しておくべきではないかと。



今の娘。のフォーメーションダンスアピールに違和感を覚えるファンもいることと思いますが、それは要するに、凄さの「飾り」(デコレーション)の部分に過ぎないからですよね。


「フォーメーションダンス」が飾りなのではなく、その「わかりやすい凄さ」が飾りという意味で。


モーニング娘。の本当の凄さはそこだけじゃない、とファンならわかっているからこそ、そこだけを世間に向けてアピールしている今の姿勢に違和感を持つのでしょう。


加えて、だからこそその「飾り」だけに目を留めて絶賛し、「飾り」がない(薄い)プラチナ期や℃-uteなどは「物足りない」と感じてしまうファンもいる。


飾りの部分から感じる凄さは本来表面的なもので、本質はその飾りの奥にあるのではないでしょうか。




これは決して、「今の娘。はたいして凄くない」とか「プラチナ期の凄さをわからないとは愚かなり」とか言ってるわけではありません。


ついでに言えば、「飾り」が悪いというわけでもありませんよ。
さっきも言ったように、「わかりやすさ」というのはある程度必要なことだと思いますので。



要は凄さの違いというか、凄さのレイヤー(層)の違い。


どこからでも見えやすい層にあるのが現娘。のフォーメーションダンスで、少し深くて見えにくい層にあるのがプラチナ期の娘。



たとえ凄さは同じでも、層が違う。


現実的に言えば、「戦略が違う」ということ。


層が/戦略が違うので、そもそも同じ土俵で比べて「どっちが凄いか」なんて言うのは不毛なわけです。最初から。


ただ「どちらのダンスが(本質的に)凄いか」という問題に対しては、やはりまだプラチナのほうが上かな、というのが正解でしょうねきっと。





とはいえ自分もプラチナ期だけを無闇に賛美するつもりはなくて、ある一要素では現娘。のほうが上回っている瞬間もあるかもしれないし、ダンス素人の自分なんかは、どちらも「スゲ~」とか思ってしまいます。


なので、これらはあくまで自分なりに客観的に見た視点での話。


表面的なことばかりに囚われている狼住人に、一言物申したかった故の分析でした。





今の娘。には今の娘。にしか出せない魅力があるのだし、潜在的なポテンシャルに関して言えば、プラチナメンバーよりも上なんじゃないかとすら思ってます。


去年の秋ツアー武道館で見たフォーメーションダンス以外のパフォーマンスでも、彼女たちは着実にレベルアップしておりました。(今やってる春ツアーはまだ見れてない……)


現メンバーの数年後は、きっと史上空前の娘。になっているんじゃないかという期待感。それは凄まじい。





言うてもまだ3~4年目のメンバーがほとんどのモーニング娘。'14。


今後、このメンバーがどれだけ成長してくれるのか、想像しただけで「生きるしか!」と思わずにはいられません!(・∀・)















ちなみにこのネタ、もう一週間以上書き直しを繰り返してようやく書けたよw


なのでちょっとだけ話題が古くてすいません。