大森望編 書き下ろし日本SFアンソロジー 『NOVA8』


NOVA 8 ---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)/山田 正紀

¥998
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すでに『10』まで出てとりあえず完結しているこのアンソロジーシリーズ、ようやく『8』に辿り着きました。



収録作家とタイトルは、



北野勇作 「大卒ポンプ」

飛浩隆 「#銀の匙」

松尾由美 「おとしもの」

粕谷知世 「人の身として思いつく限り、最高にどでかい望み」

青山智樹 「激辛戦国時代」

友成純一 「噛み付き女」

片瀬二郎 「00:00:00:01pm」

山田正紀 「雲のなかの悪魔」

飛浩隆 「曠野にて」

東浩紀 「オールトの天使」





個人的にベストなのは、飛浩隆の2作。


これは『NOVA1』掲載の中編「自生の夢」のスピンオフ短編である。


文章、設定、モチーフ、すべてが高品質で、この2編だけでお釣りがくるレベル。


早くこの作家の新刊が読みたいです。(極度の遅筆)





他には、北野、山田、片瀬、東あたりが良作。



北野の「大卒ポンプ」は、海外のSF作家パオロ・バチガルピの短編「第六ポンプ」をもじったもの。



山田の中編「雲のなかの悪魔」は、ウィリアム・ギブスンもかくやというほどのSF用語連発、観念的なストーリー展開で、半分以上なにがどうなってるのか理解できない。


しかしその勢いというか、「なんか凄い監獄みたいなところから、凄い方法を使って脱獄しようとしてるんだね」という概要と気迫は伝わってきました。



東の「オールトの天使」は、これまで『2』『3』『5』で連載してきたシリーズの完結編で、現在既に単行本『クリュセの魚』に加筆訂正の上でまとまっております。


そっちは文庫化したら読もうかなー。







そんな感じで、残すところ『9』と『10』なわけですが、『10』は持ってるけど『9』がまだ買ってない。


ラインナップを見る限りでは、あんまりそそられないんだよねぇ。


『9』とばして『10』にいっちゃおうかしら。











ちなみに、このアンソロジーの企画・監修を務めたのが大森望さん。


最近ハロプロの魅力に気付いてくれたとのことで、ハロヲタ兼SFヲタとしてはたいへん嬉しいですw