本：でかい月だな

￥600
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第十九回小説すばる新人賞受賞作。

↑に貼ったのは文庫だけど、自分が読んだのは単行本。

もう７年近く前に買ってずっと積んだままだったものを、ようやく読みましたｗ

中学生の主人公、幸彦は、ある日友達の綾瀬涼平に崖からなんの前触れもなく蹴り落とされ、右足に大怪我を負ってしまう。

しかし綾瀬を憎みきれないまま、変人の中川、ゴス少女かごめなどの個性的な同級生（でも留年したから年下）たちとあれやこれやの青春物語。

と思いきや、話はなにやらファンタジックな方向へもつれ込む。

新人賞受賞作ですが、文章がたいへんお上手。

あらすじを言ってもあまり意味ないので、この達者で小慣れた文章を楽しみましょう。

キャラも素晴らしく、特に中川はここ最近で一番のナイスキャラ。
こんな友達がほしい……というか、こんな人になりたい。

面白かったから著者の他の本もぜひ読みたいと思ったんだけど、これの他に単行本を１冊出しただけで文庫化もされず絶版、あとは沈黙。

実に残念です。書ける人なのに……。

前２作が壊滅的に売れなかったんだろうか？
それでも２作だけで諦めてしまうのはもったいない才能なのになぁ。

いつか復活してくれることを祈ります。