スティーヴン・キング 『幸運の25セント硬貨』


幸運の25セント硬貨 (新潮文庫)/スティーヴン キング

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もはや説明不要の大御所作家 スティーヴン・キングの短編集。



これは原著『Everything's Eventual:14 Dark Tales』から、「ライディング・ザ・ブレッド」を除いた13の短編を『第四解剖室』と『幸運の25セント硬貨』に二分冊したうちの一冊。(※「ライディング・ザ・ブレッド」は大人の事情により、これだけを収めた単行本として出版されている)



収録作は、


「なにもかもが究極的」

「L・Tのペットに関する御高説」

「道路ウイルスは北にむかう」

「ゴーサム・カフェで昼食を」

「例のあの感覚、フランス語でしか言えないあの感覚」

「一四〇八号室」

「幸運の25セント硬貨」




キングといえばホラーだが、純粋なホラーと呼べるのは「道路ウイルス~」と「一四〇八五室」くらいで(前者は「動く絵」、後者は幽霊ホテル)、あとは「ゴーサム・カフェ~」はサイコパスもののホラーと言えなくもない感じ。



そういったジャンルに拘らなければ、どの短編もさすがの筆致で楽しめる。


個人的には、「なにもかもが~」と「L・Tの~」の一人称の語り口が好き。


ちょっと粗暴で下品だけど、キングのねちっこい文体にはこういう口調が合う。




ちなみに「一四〇八号室」は『1408号室』というタイトルで映画化されている。


DVDプレーヤーとブルーレイプレーヤーどちらでも再生可能なディスクでレンタルされてたアレです。


1408号室 [Blu-ray]/ジョン・キューザック,サミュエル・L・ジャクソン

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※これはセル用ブルーレイ




自分はこの映画を先に見たんだけど、映画のあのトンデモ展開を見てしまうと、原作のほうはやや物足りなく感じてしまうかも。




とはいえどの短編も面白いので、キング初心者にもおススメです。