恩田陸 『「恐怖の報酬」日記━酩酊混乱紀行』



「恐怖の報酬」日記―酩酊混乱紀行 (講談社文庫 お 83-6)/恩田 陸
¥600
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これも再読だけど、小説ではなく紀行エッセイ。




大の飛行機嫌いで知られる著者が、とうとう観念して飛行機に乗り、イギリス・アイルランド・日本(北海道とか沖縄とか)を旅するエッセイ。



とにかく飛行機が嫌いらしく、飛行機に乗るまでの恐怖が綿々と綴られ、ようやく乗り込むまでに80ページ近くかかるw




着いてからは著者特有の目線、「物語探査目線」とでもいう目線からイギリス・アイルランドが描写され、非常に興味深い。



読書家でもある著者は、色々とこれまで読んできた本などを引用するんだけど、最初に読んだときよりそれらがわかるようになった自分が誇らしいデス←



ある意味、ブックガイドとしても使えるくらい色んな本のタイトルや内容に言及してる。




イギリスで、ペーパーバックの『ディファレンス・エンジン』まで買っちゃうところが良いよねぇ。




「小説のイメージを掴むために旅をする」と言う著者だけど、この人の目には多くが物語の始まりの場所に見えてるんだろうなぁ。



ぜひともこの旅行で掴んだイメージを作品にしてほしいものです。




語り口も軽快で楽しくて、イギリスやアイルランドに旅行に行く際にはぜひ読んでおきたい1冊。



著者はビール好きでもあって各地で飲みまくっているので、そちらが好きな人にもおススメです。