アーサー・C・クラーク 『宇宙のランデヴー』



宇宙のランデヴー (ハヤカワ文庫 SF (629))/アーサー・C・クラーク
¥756
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世界で一番有名なSF作家と言っても過言ではないかもしれないクラークの、代表的な長編。



ヒューゴー賞、ネビュラ賞を始め、幾多もの賞に輝いた名作です。





あらすじはというと、2130年ごろ、宇宙からいきなりの来訪者アリ。



てっきり小惑星かと思ったら、それは巨大な宇宙船のような円筒形で、これには宇宙進出してた人類もびっくり。

なんせ、これが有史以来のファーストコンタクトである。



ラーマと名付けられたその物体はしかし、そのまま太陽をかすめてどこかへ消えていきそうな勢い。



そうなる前に調べましょうということで、たまたま近くにいた宇宙船エンデヴァー号の乗組員たちがラーマに入って調査します、というお話。





物語のほとんどは、未知の宇宙船(?)ラーマ内部の冒険譚なんだけど、わりとリアルな反面、やや盛り上がりに欠けるのも事実。



なんかこう、もうちょっと興奮がほしかったかな。



実際ラーマに入って探検してたらそりゃあ興奮するでしょうけど、文字で見てるだけなので些か地味なのである。



解説で、プリースト(英国のSF作家)が「プロットがなくて小説とは言えず、探検の集積だ」と批判してたらしいけど、確かにそう思う気持ちもわかる。



でもプリーストもこの作品のセンス・オブ・ワンダーは認めていて、「宇宙のどこかからやってきた巨大宇宙船の探検」にわくわくすることは間違いない。




だから、面白いけどちょっと惜しい、といった感じ。



ホーガンの『星を継ぐもの』みたいなカタルシスがあったらもっと良かったかな。





とりあえず、読んで損はない作品だと思います。