森見登美彦 『有頂天家族』
- 有頂天家族 (幻冬舎文庫)/森見 登美彦
- ¥720
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文庫版表紙を見ての通り、狸のお話である。
下鴨一家の母と四兄弟が、三男の矢三郎を主人公に京都の街を駆け巡る。
森見版、『平成たぬき合戦ぽんぽこ』と言ったら……正しいような正しくないような。(たぶん正しくない)
今は亡き偉大なる父の阿呆の血を受け継いだ四兄弟は、長男がまじめすぎるけど根は臆病、次男はその怠け者っぷりが祟ってついには蛙に化けて戻れなくなり、三男は一際阿呆でトラブルばかり持ち込み、四男はまだ小さい上にいつもビクビクしていて情けない。
いつもちょっかいばかりかけてくる憎き夷川家とすったもんだありながら、世の泰平を謳歌している狸たち。
そんな狸の他にも、天狗、そしてもちろん人間も出てくる。
半分以上は狸たちのほっこり阿呆で愉快な日常が描かれるけど、後半の2編(連作長編形式)は、ページをめくるのももどかしいほどの展開。
最後はいつもの大団円で、実に満足です。
そういえば続編も執筆中らしいけど、一向にお目見えしないなぁ。
続編が出ないうちに、どうやらアニメ化が決定したらしい。
http://d.hatena.ne.jp/Tomio/20130321#p1
こいつぁあ見るしかあるまいよ。