大森望 『現代SF1500冊 乱闘編1975-1995』
- 現代SF1500冊 乱闘編 1975―1995/大森 望
- ¥2,415
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これは、翻訳家兼、書評家の大森望氏が、今までに読んで評した国内外のSF作品を網羅した1冊である。
「乱闘編」と題し、1975年から1995年までのSFを扱っている。
ちなみに続編は「回天編」で、そちらは1996年から2005年まで。
どちらも現在新刊ではやや入手しづらい状況だけど、「回天編」を改稿・加筆した、2001年から2010年まで扱ったものとして『21世紀SF1000』というのが文庫で出ているので、まずはそちらをどうぞ。
そちらでは満足いかなくなった自分のような人間は、この本を頑張って探しましょう。
ただしこちらは古い本(自分が生まれる前のもある)を扱っているので、今では絶版/品切れで手に入らない本を多数ある。ってゆうかほとんどそれw
でも最近古本探索にハマっている身としては、この本はありがたいブックガイドになる。
さて上記の『21世紀SF1000』しか読んでなかった自分は、この「乱闘編」での著者の快刀乱麻の毒舌っぷりに些か驚いた。
今も歯に衣癖ぬ口ぶりではあるけど、昔はもっと容赦なく毒を吐いていたらしい。
グレッグ・ベアの『天界の殺戮』評なんて、「ベア畢生の大駄作」とまで言われてるw
「畢生の大駄作」とは。
そんな表現初めて聞いたよw
個人的には、90年代はともかく70、80年代は生まれてない/生まれたばっかりなので、その辺のSF状況を知れたのが面白かったッス。
《SF冬の時代》と言われていた頃があったんですよねぇ。
今は「SFの夏だ!」なんて言う人もいるくらいだから、恵まれた時代にSFファンになって良かったー。
しかしこれ、古くて入手困難な本まで読みたくなるからちょっと困る。
古本まで求めてたら、正直キリがないんだよねこの世界w
まぁそれでも求めちゃうのが読書人なわけだけど、探し回る手間が大変である。
本の値段より、電車等の移動代のほうが嵩むよねw
というわけで、「昔のSFのブックガイド欲しいなー」という方は必読。
こっちも改稿して文庫化すればいいのに。