ハロヲタTLが娘。コンや℃-uteコン初日で盛り上がる中、自分はがきさん主演の舞台『殺人鬼フジコの衝動』を観に行ってきました。










もっと不思議なことだって起きている









感想を書きますが、ネタに触れますので「最終日観に行く」など、内容を知りたくない方はお気を付けください。








長いよ。














というわけで、前に『ハイカラ探偵王』を観て以来、久々の六本木俳優座劇場。






席は後ろのほうです。


最後尾ではないけども、限りなく最後尾に近い後ろ。








で、開演前に席に座ってボーっとしてトイレに行って帰ってくると、通路に数人の女の子が。






「ちょっとすみません」的なこと言って道を開けてもらったんですが、あんなに若い女の子が集団で来るのも珍しいなぁなんて思ってました。






するとその子たち、席を探すために自分の前方をウロウロ。


おお可愛いじゃないか娘。の12期を受けてみないかい?などと心の中で考えていると、ハロプロ研修生だった!w






研修生の子たちでした。


中間くらいの席に、ふーちゃん(小数賀ちゃん)と浜ちゃん(浜浦ちゃん)が座っていて、その隣に牧野ちゃん、一岡ちゃん、山岸ちゃんor小川ちゃん(どっちかはっきり確認できずw)が座り、後ろのほうに野村ちゃん(たぶん)が座るという感じ。






と思ったら、今度は愛佳が来た!


しかもマネティも一緒に!w






そして愛佳は野村ちゃんの隣に。


野村ちゃん、先輩の隣で観賞。










なーんてことをさりげなく見てたら、いよいよ開演です。












自分は原作を読んでからの観劇だったのでわかってはいたんですが、いやはやなんとも鬱な展開が続く舞台でした。






もちろん良い意味でね。






でも、もしこの世に地獄があるとしたら、それはフジコの人生のことを云うのでしょう。






まるで現世の畜生道。


ずっと不幸の影につきまとわれ、生々しい悪意が槍のように降ってくる人生。






そしてそれに抗うために、次々と人を殺していった人生。






いつになっても何をやっても幸せになれない。


なのにフジコは幸せを追い求める。






不幸は続く。






業(カルマ)は終わらない。










なんていうか、フジコがあまりにも哀れでしょうがなかった。






今回、いわゆる「泣き」のシーンはないんですが、フジコがあまりに哀れすぎて、哀しくて泣きそうになりましたよ。






原作では、その不幸と共に、自業自得な面も描写されていたフジコ。






それが舞台では、少しだけ薄まっていたような気がする。(描写し足りなかったからかな。時間的に仕方ないけども)


だから、フジコが坂を転がるように不幸になっていくのが可哀そうで可哀そうで。






加えて、なんといってもフジコを演じてるのががきさん(好きな人)だから、余計に可哀そうになる。哀しくなる。鬱になる。










原作では、小学校時代のイジメは舞台向きではなかったからか、違うものになってました。


が、こっちはこっちでまた生々しくて痛々しくてエグいものだった……。






そう、エグい。とにかくエグい。






フジコにまつわる人々の、壮絶な悪意がエグい。










他の原作との違いを上げると、原作ではストレートに(時系列に)物語が進んでいきますが、舞台では多少のカットバック形式を採用。






なので、予備知識なしで観た人は少し混乱するかも?しないかも?







フジコは、がきさんと《内なるフジコ》がいます。


つまり、フジコ役は2人いる。






フジコの内面、心の声、潜在意識を(がきさんと同時に)演じるのが、早織さんという方。(遠くて顔はよく見えなかったけどたぶんそのはず)








で、さすがに原作全部をやる時間はないので、省略されたりする部分もあり。






そのせいでラストのあの《仕掛け》が、多少唐突に感じるかもしれないなーなんて思いました。


伏線がね。わかりにくいから。








原作読んだ方はわかるでしょう。あのトリック。








※※※ここから先はモロにラストのネタバレするので、知りたくない方はシャシャッ!と一気にスクロールしてくださいw






















原作では、「あとがき」を逆手にとってミステリー的なトリックにしていたわけですが、舞台では、キャストの挨拶(本日はご観賞頂きありがとう的なやつ)をやったあとに役者が1人出てきて、何か挨拶でもするのかと思いきや「この舞台は現実にあった事件を脚本にして舞台化したものです」と語り出します。






あれ、これもしかしてまだ終わってないのか、と客が思い始め、役者は「本当の黒幕」について激しく語る語る語る。






すると客席の後ろのほうから歩いてくる人物が1人。(自分の横通った)






「本当の黒幕」について語り、「この舞台を観てくださったみなさんが証人です!私は警察にこの事実を公表するつもりです!」と叫んでいると、客席から上がってきた「黒幕」に刺されて暗転。






そのまま終了。






キャストの挨拶も何もない。


暗転のまま終了。






という、後味最悪の終わり方でしたw






客も戸惑うよね。


「え……お、終わり……?これもう終わったの……?誰も出てこないの?」ってざわざわしたw






いやー、あの仕掛けをこう使ってくるとはね。






後味は最悪だけど、演出としてはたいへん面白い。






今まで何回か舞台を観てきたけど、暗転したままキャストの挨拶も一切なしに終わった舞台は初めてだよw








話の肝である「フジコの不幸な人生」に感情移入していた客側は、この突然の「黒幕」に戸惑うような気もしますけど、これは舞台じゃなくて原作の問題だからまぁいいか。


































※※※はいここまでラストのネタバレでした~。










で、我らががきさんの話をしよう。








個人的にがきさんの演技は大好きなので期待してたけど、まさに期待通りの演技でした。






内容が内容なので、期待通り過ぎて心配になったよねw






だって、不幸が服を着て歩いてるみたいなキャラクターを全身全霊で演じてるわけで、日常生活とか大丈夫かなって思っちゃいましたよ。


マジで、精神状態が心配になるレベルw






幸せになりたいのに、不幸なことばかりやってくる。






誰も彼もが私の邪魔をする。幸せにならせてくれない。






そんな怒りと哀しみ。


それらが痛いくらいに伝わってきました。






フジコの叫び、フジコの哀しみ、フジコの衝動。


殺人への衝動。






見てるこっちまで、フジコの周りの人間が憎くなり、殺してやりたくなり、永劫の哀しみに囚われる。






フジコの「負の部分」を、観てる側にまで感染させてしまうかのような気迫でした。






もし自分があの役を演じるとしたら、舞台期間中ずっと鬱状態になる自信があるw






観てて、痛々しいったらない。


いっそ、途中からフジコが殺しを躊躇わなくなったことに安心すらしてしまったよ。






もう殺しちまえよフジコ、と何度思ったことか。


殺して殺して、終いには自分も殺して楽になっちまえよ、と。








最後のほうで、フジコが『夢見るシャンソン人形』をアカペラで儚く歌うシーンがあるんですが、こんなに哀しい歌は聴いたことがない。






フジコは、思ったより「泣かない」変わりに、歌で慟哭の涙を表現したのでしょう。






どんな「泣き」のシーンより哀しかったです。










と、熱く語ってしまうくらい、がきさんは「フジコ」でした。






あれ、がきさんってあんなに弱々しくておどおどして、尚且つ残虐で冷徹で哀れで愚かだったかな……?と思ってしまったくらい、新垣里沙ではなくフジコだった。






がきさんの役者としての引き出しは本当に凄いと思う。






いま一番「次の演技が見たい女優」と言えましょう。(主観)






このブログで何度も書いてますが、がきさんは歴史ある舞台の華やかな主役を演じてその名を残すというより、マルチにどんな役にでも「なってしまう」ことのできる役者さんだと思う次第。






今回のフジコでは「小学生」も演じてるんですが、不思議なことに小学生にしか思えなくなってくるんですよねぇ。


ランドセル背負ってても違和感がないとはw






元々童顔ではありますが、それ以上に「空気そのもの」がその役になりきってしまう特質がある。








なにより、狂気。






がきさん、狂気をあそこまで演じられるようになったんだなぁと感慨深かったです。






覚醒後(?)のフジコなんて、まるで悪鬼のような形相になって、この世のありとあらゆるものを憎む姿には圧倒されましたよ。








例えばもしこの舞台で初めてがきさんの演技を見たとするなら、「オレの知ってるがきさんじゃない……(震え声)」となるでしょうね←










もちろん他の役者さんも素晴らしくて、「内なるフジコ」を演じた早織さんもがきさんに負けないくらいの気迫だったし、藤田玲さん演じるクソダメ男ゆうや君は、観てるこっちが殺してやりたくなるくらいにダメ男でしたw






イジメっことか職場の嫌な同僚とか、なんとまぁ忌々しい奴らだったことか。(褒めてます)






村田充さん演じる雑誌記者のネチッこい陰鬱さとしつこさときたら、「早く殺っちまえフジコォォォ!」と思ったほどでした←










あ、そうそう。


原作読んだ方にはわかると思いますが、割りと性的な要素やシーンが躊躇いなく出てくるんですよねこれ。






「S〇X」とか普通に大声で言うし、「生理がきてお股から血が」とか言ってイジメるし、クソダメ男ゆうや君はフジコを押し倒して「お前もう濡れて(自重)」とか言うから、まだ中学生になりたての研修生が見てることを知ってる身としては「待て待て待てーい!www」と焦りましたよ。ええw






なんか最近こんなんばっかりだw














というわけで、観てる間も観終わったあとも実に暗い気持ちになる舞台ですが、個人的には素晴らしかったです。






死体をバラバラにしたりするので、そういうグロいシーンとかリアルな効果音とかもありますけど、普段から血生臭いミステリーを読んで鍛えてるのでそこは大丈夫←








「もう一回観たいか?」と聞かれれば、観てる最中は「絶対観たくない……」と思ってましたけど(鬱になるから)、観終わって時間が経つと、不思議とまた観たくなってくる。






むしろ、明日の最終日にまた観に行きたいくらいの勢いです。(明日は完売してるので当日券はないらしいから無理だけど)






DVDも遠慮しようと思ったんですが、こんなことなら会場で予約してくるんだった。


会場でなら、予約特典が付いたってのに。






ちなみに一般発売は7月中旬予定らしいです。






観たかったけど観れなかった方は、ぜひどうぞ。(詳細は後日、公式HPなどで発表)

















なんだか実にまとまりのない乱雑な感想文になってしまってすみませんw






ちょっと色んなことを感じたので、全然うまくまとめられなかったよ……。









とにかく、がきさんの演技が凄すぎてプライベートまで心配になるレベルだったので、この舞台が終わったらディズニーでも行って癒されてきてほしいなと心から思いましたw






明るく元気ながきさんが恋しい……。










これからしばらくは、『恋するシャンソン人形』を聴いたら哀しい気持ちにしかならんねこれは。





















ちなみに愛佳と研修生ですが、舞台終了後、愛佳はどこかに行きました。(ブログを見ると、楽屋に行ってがきさんに会ってたみたい)






研修生は、マネティに挨拶して、「私普段はこういう(グロい)のとかダメなの~」と話しながら地下鉄に乗って帰っていきました。






ぜひ同じ電車に乗って感想を盗み聞きしたかったんですが、あの子たちは大江戸線、自分は日比谷線での帰宅だったので断念しました←










いよいよ明日が千秋楽。






精神的にも肉体的にも疲れそうだけど、最後まで頑張ってねがきさん!キャストのみなさん!














以上、殺人鬼フジコの感想でした。














……長すぎだろw