クリストファー・プリースト 『逆転世界』



逆転世界 (創元SF文庫)/クリストファー プリースト
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英国SF協会賞を受賞した、プリーストの初期傑作。




プリーストといえば、映画化もされた『奇術師(映画化名は『プレステージ』)や『魔法』など、「騙り」の上手さが特徴であるが、これはそういった「騙り」系にシフトする前に書かれた、SF的アイディアに満ちた初期の作品。





〈地球市〉と呼ばれる、移動式の都市に住む主人公。



ギルド員になった主人公は、初めて都市の外に降り立ち、この世界が今まで認識していた世界とは違うことを知る。




物語の大半は、都市とその周辺の描写。



第二部でこの世界の特殊な性質が明らかになるが、都市での描写は正直退屈だった。



しかし第四部以降、読者までもが騙されていた都市の性質がわかると、一気にSF的ビジョンが広がる。




初期作品ならではの、どでかいSF的アイディア。




とにかく、何を言ってもネタバレになってしまいそうなので、読んでみてくださいとしか言えません。