遅い帰宅で眠いので、とりあえず読書感想文。





北野勇作 『どろんころんど』



どろんころんど (ボクラノSFシリーズ)/北野勇作
¥1,785
Amazon.co.jp


ベストSF第2位にも輝いた、ジュブナイルSF。




一応「児童書」という体裁で出版されているので、普通の本棚ではなく、児童書コーナーに置いてあるので注意。




しかし児童書とはいえ、骨格は本格SF。

そして語り口は、どこかのんびりした不思議な世界。

北野勇作の読者なら、「ああ、いつもの感じ」と思うだろう。




ある日、長い眠りから目覚めたセル・アンドロイドの少女アリス。

しかしその世界にはもう、人間は一人も残っておらず、すべては泥に覆われていた。

泥でできたヒト形の生き物「ヒトデナシ」が暮らす地球で、アリスが仕事としてプレゼンするはずだった商品「万年一号」(表紙のカメ)と共に、アリスは旅に出る……。



というお話。




不思議でノスタルジックな雰囲気で物語は進み、ラストは不覚にも感動してしまった。

まさか北野勇作で泣きそうになるとは……w



小さいお子様にもおススメの本です。



ただ最後のSF的解釈は、イーガンやレムに連なる背景がある(気がする)ので少々難しいかもしれない。



もちろん、なんとなくの理解でも全然大丈夫だけど。




そして何より、本自体がたいへん素晴らしい造りになってるんですよこれ。



遊び心溢れる挿絵と、それに合わせたタイポグラフィー。



って言葉で説明しても伝わらないだろうから、これはぜひ書店で手に取ってパラパラめくってお確かめください。



この装丁だけでも買う価値アリでっせ。



かなり凝っていて、かわいい。