西澤保彦 『麦酒の家の冒険』
- 麦酒の家の冒険 (講談社文庫)/西澤 保彦
- ¥650
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《タック&タカチシリーズ(他にも呼び名はあるらしい)》の、(作中時系列順でいうところの)2作目。
このシリーズは、版元も時系列もバラバラに出版されててややこしいんだけど、まぁそこは置いといて、この本はいわゆる「安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブもの」のミステリーである。
タック・タカチ・ボアン・ウサコの主人公4人(もちろんこれはニックネーム)は、高原で道に迷ってふらふら彷徨ってたら、一つの家を見つける。
その家は無人で、家具もなにもかもいっさいなく、しかしなぜかベッドが1つだけポツンとある。
不法侵入して中を捜索してみたところ、2階の部屋のクローゼットの中に冷蔵庫を発見。
中を開けたらなんと、大量のヱビスビールが冷えていた……。
というところから、4人はビールをがぼがぼ読みながらの推理合戦。
内容はもちろん、「この家は一体なんなのか」という謎。
誰もいない、それどころか家具もない(ベッドが1つだけ)、おまけにこの大量のビール。
一体なんなのよここは?という謎を、ああでもないこうでもないとひたすら推理していく長編です。
1つの謎の推理合戦だけで、350ページ以上ある長編を書けてしまう力量が凄い。
そしてなんと言っても、この本の主役はビール。タイトルにもなってるくらいだし。
読んでると、無償にビールが飲みたくなるでしょうねぇ。特にこの季節は。
でも自分、お酒飲まない人なので、その辺はあまり楽しめずw
でも飲まないくせに、「ああビールうまそー」と思ってしまうほど、ビール飲みまくりの4人です。
しょうがないので、代わりにコーラを飲みながら読みました。(ホントはサイダーがよかったけど……w)
ビール好きの方は、ぜひビール片手に推理の迷宮に酔いしれてみてはいかがでしょう。