舞城王太郎 『みんな元気。』



みんな元気。 (新潮文庫)/舞城 王太郎
¥420
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みんな大好き(?)舞城王太郎の中短編集。




表題作が中編で、どんな話かというと、主人公がある日浮いていた姉を見つけたと思ったら妹も浮いていて台風に乗った杉山一家がやってきて浮いてる妹と杉山家の次男を交換されちゃってそこから色々たいへんな感じになってしまうというお話。



ええ、そういうお話ですw




舞城を読む際に、「意味わからん」とか言ってもしょうがない。



でも勢いとノリだけで突っ走るかと思いきや、人生にとって人間にとって大事なことを突きつけられるから油断できないのだ。






ところで3話目の短編、「矢を止める五羽の梔鳥」の冒頭の書き出しが秀逸だよね。



「山火事大好き」って。



いきなりなんの脈絡もなく「山火事大好き」とか、思わず笑っちゃったよー。



こんなズバ抜けたセンス、とても真似できん。






そういえば舞城は、ついこないだ決まった芥川賞/直木賞で、『短編五芒星』が三度目の芥川賞候補になってたんだった。



惜しくも受賞には至らなかったけど、一体いつになったら獲れるんでしょうかw



前回、円城塔のお陰で、大昔に1冊ヒットしただけですっかり文豪気取りの石原都知事が選考委員を降りてくれたから今回はいけるかと思ったけどダメだった。(都知事は大抵の作品をけなす。円城とか舞城みたいな前衛的であり現代的なものはとことん嫌う。きっと老いぼれた脳が追いつかないんだね)




でも受賞したところで記者会見とかには出ないんだろうな。覆面作家だから。

ピンチョンみたいな人だw