読書ネタがない時恒例、ここ一ヶ月くらいの間に買った本を紹介する不毛なコーナ~。
まずは、早川書房の日本SFレーベル《Jコレクション》から3冊。
- Delivery (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)/八杉将司
- ¥1,785
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なにやら評判が良いらしい。
やたら引き合いに出される「イーガンとチャンに連なる系譜」という評も、あながち誇張ではないようだし。
- 天狼新星 SIRIUS: Hypernova (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)/花田 智
- ¥1,680
- Amazon.co.jp
こちらはなんと、元々は舞台で上演されていた脚本を小説化したとか。
しかしチラッと中を見ると、ハードSF用語がバンバン出てくる。
こんなのをどうやって舞台にしたのか、そっちのほうが気になるわw
- ゴースト・オブ・ユートピア (Jコレクション)/樺山 三英
- ¥1,785
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『SFマガジン』で連載されていた、古今のユートピア文学を下敷きにした連作長編。
元ネタがわからないものもあるけど、まぁ問題ないでしょう。たぶん。
そしてこちらは、恒例のSFアンソロジーが2冊。
- 拡張幻想 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)/東京創元社
- ¥1,365
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2011年に発表された日本SF短編の中から、2人の書評家が選び抜いた傑作をまとめたもの。
今回で5冊目の年刊アンソロジーだけど、今までで一番分量がある。値段も高い。(文庫で1365円)
こういうアンソロジーはSFファン以外の人にも読んでほしいし、きっとこの本にもそういうコンセプトがあると思うんだけど、この値段で果たしてSF好きでもない人が買ってくれるかどうかは疑問。
- NOVA 8 ---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)/山田 正紀
- ¥998
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こちらは、同じ日本SFアンソロジーでも、全編書下ろしのオール新作。
今回で8冊目。
そういえばまだ『7』を買ってなかった。一つ飛ばしちゃったよw
今回はなんといっても、飛浩隆の短編が2つもあるのと、山田正紀の中編が楽しみ。
飛さんは、日本SFの最高峰だと個人的に思ってるんだけど、いかんせん書くのが遅すぎるw
《廃園の天使シリーズ》の新作もずっと待ってるし、SFマガジンで連載が終了した『零號琴』の単行本化はまだですか。
頼むから、(作者も自分も)生きてるうちに出してくださいw
- ふわふわの泉 (ハヤカワ文庫JA)/野尻抱介
- ¥630
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その昔ファミ通文庫というラノベレーベルから刊行され、星雲賞を獲るもあえなく絶版に。
ずーっと中古屋などを探していたけど見つからず、諦めかけたその時、早川書房から復刊されたのがこの作品。
著者は日本を代表するSF作家で、最近はニコ動と初音ミクにご執心で、『南極点のピアピア動画』という作品を書いてしまったほど。
しかもそれはボカロファンにもSFファンにも大絶賛されたというから凄いよね。
こんなに凄いのに、この人もとにかく書くのが遅いw
「尻P仕事しろ」というのがもはや定型文に←
- 盤上の夜 (創元日本SF叢書)/宮内 悠介
- ¥1,680
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そして最後は単行本。
こちらはちょっと前に出た作品ですが、今回なんと直木賞候補になって重版してたので購入。
まさかですよ。
新人のデビュー作が直木賞候補になった例は過去にもありますが(受賞したこともあった)、SFでそんなことが起こるなんて。
SF作品が直木賞候補に挙がること自体奇跡に等しいというのに、それが新人のデビュー作とは驚きを隠せません。
でもたしかに、この作者さんは力がある。
短編をいくつか読みましたが、『NOVA』に掲載されたシリーズは達者だし、今月の『SFマガジン』に掲載された「ロワーサイドの幽霊たち」はSFの視点でしか描けない9.11を見事に描写している傑作だった。
受賞する可能性は低いでしょうが、今後も追っていきたい作家さん。
それにしても、見事にSFばっかりだなw
ミステリ系も欲しい本があるんだけど、なぜか買うのはSFばかり。
SFを読まない人からすると、SFってどんなイメージなんでしょうかね。
安っぽくて子供騙しなイメージ?
それとも逆に、専門的で小難しいイメージ?
いずれにしても、SFでしか味わえない興奮というものが確かにある。
それを一度でも知ってしまったら、もう戻れないのだ。