SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー 《時間SF傑作選》 ここがウィネトカなら、きみはジュディ



ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)/テッド・チャン
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ちょっと前に読んだアンソロジー『スティーヴ・フィーヴァー』と同じ企画の《時間SF傑作選》。



文字通り、時間SFの傑作が収録されている。



巻頭のテッド・チャン 「商人と錬金術師の門」がとにかく傑作。

さすがは、グレッグ・イーガンと並んで『現代最高のSF作家』と言われるだけのことはある。



他には、おなじみスタージョンの「昨日は月曜日だった」が秀逸。



続いて、「時の鳥」、「旅人の憩い」あたりが好みだった。



全体的に高水準だし、小難しい時間理論は理解しなくても読めるので、SF初心者にもおススメの1冊。




編者の大森さんによると、時間SFというのは日本でやたら好まれるサブジャンルらしい。



たしかに、「SF」と銘打たれてなくても時間SF要素のある作品は(ドラマとか映画含め)多い。



それはひとえに、SFならではの理系的センテンスを理解できなくても物語を楽しむことができるからだろう。



そういう意味でも、科学用語を一切使わずに、アラビアンナイト風のハードSF(「商人と錬金術師の門」)を書いたテッド・チャンは凄い。




この短編だけでも、ぜひ御一読を。