大森望編 書下ろし日本SFアンソロジー 『NOVA5』



NOVA 5---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)/東 浩紀
¥998
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おなじみ、日本作家の短編SF書下ろしアンソロジーの第五弾。




冒頭の上田早夕里『ナイトブルーの記録』は、著者の短編集『リリエンタールの末裔』に収録されてしまい、そちらで読む予定なので今回はスルー。




それ以外で良かったのが、宮内悠介『スペース金融道』と、伊坂幸太郎『密使』。



『スペース金融道』は、新人とは思えないくらい上手い。

キャラ、文章、ユーモア、SF的発想などなど、小川一水の作品と言われても通用しそうなほど。

これからが楽しみな作家さん。



小説としてそれより上だったのが『密使』。

とにかくまぁ、「さすが伊坂幸太郎」というしかない。

2つのパートが最後に1つに繋がる快感など、伊坂幸太郎の本領が詰まった中編。

ちなみにこの中編は、『PK』という単行本に収録されたので気になる方は『PK』をどうぞ。




東浩紀の〈火星シリーズ〉は、まとめて読んだほうが面白いんじゃないかと思う。早いとこ1冊にまとめてほしいけど、まだ完結編が出てないから無理か。






この『NOVA』シリーズは、現在「7」まで出てます。



シリーズといってもアンソロジーなので順番は関係ありません。どの巻のどの短編から読んでもよろしい。



「5」まで読んだ中で個人的に一番おもしろかったのはやはり「1」に収録された、飛浩隆の『自生の夢』かな。



あれは別格。あらゆる面で他を圧倒している。



興味のある方はぜひどうぞ。電子版なら1編ずつでも売ってるらしいので。