恒川光太郎 『草祭』



草祭 (新潮文庫)/恒川 光太郎
¥540
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『夜市』でホラー小説大賞を受賞してデビューした著者の四作目の作品。



ホラー大賞でのデビューだが、作風はホラーというより幻想文学に近い。




「美奥」という土地にまつわる五つの短編が収められている連作短編集。



時代背景も様々で、現代から見た「美奥」の土地、それに関する「魔物」あるいはそれに囚われた「人間」。

丁度真ん中にあたる第三話では、遥か昔、「美奥」がいかにして生まれたかが描かれる。



「美奥」は、現実と幻想の淡いに属している。

見える者、見えない者、囚われる者がいる。




なんとも感想を書くのが難しい読後感だ。

文章力の高い作家さんなので、より幻想性が際立つ。物語の創造性も言うことなし。



つまり、とにかく読んでみればいい。絶対面白いから。




「ここ」のすぐ近くにある、「ここではない場所」に連れて行ってくれる。