うがー。



ネタがない。正確に言うと、書くことが思いつかない。



なのでまた本についてのブログです。興味ない方は申し訳ない。明日はハローのネタがわんさかある(はず)。




山本弘 『詩羽のいる街』



詩羽のいる街 (角川文庫)/山本 弘
¥820
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SF作家、山本弘の非SF連作長編。



とある街に住む「詩羽」という女性。彼女はお金を一切持たず、他人に親切にすることによって生活をしているのだ。



要は「わらしべ」だ。親切が親切を呼び、他人と他人を繋げ、その中心にいるのが詩羽なのだ。



いわば、街のネットワークの根幹と言っていい。



詩羽は、人を幸せにする。



正しく言うと、その人が持っている「幸せになるための力」を引き出す。才能とも言える行動力で。



なかなか芽が出ない漫画家の卵だったり、自殺を決意した女子中学生だったり、他人に悪意をばらまいて優越感を感じる男だったり。



そんな人たちを変えていくのが詩羽だ。

ある意味恐ろしいくらいの「価値観」と「人脈」と「行動力」と「優しさと厳しさ」をもってして。




……ああ感想を書くのが難しい。言いたいことがあり過ぎて難しい。



この本には、人生を生きていく上で大切なことがたくさん書かれている気がする。

でも「どこがどう良いの?」と聞かれると困る。「とにかく読んでみんしゃい」としか言えない。



人間が日々、いかに何かを「決めつけて」生きているかに気付かされる。



どうしようもない悪意は存在する。でも、その反対だってある。悪意を支える大元なんて、実は脆いものなのだ。



理論があって、感情がある。不幸な人がいて、幸せな人がいる。



すべては自分次第であり、他人がいなければできないこともある。



こんな断片的な感想しか出てこない。



しかし詩羽は(作者は)、悪意にまみれた世の中を深く理解しているのだろう。だからこそそこから先の「希望」や「優しさ」を、こんなにも説得力ある形で描けるのだ。



読めば、自分の中の「なにか」が変わるかもしれない。




作者の他の本を読んだときにも思ったことだけど、こんな本こそベストセラーになって広く読まれてほしいものだ。