森博嗣 『ゾラ・一撃・さようなら』
- ゾラ・一撃・さようなら (集英社文庫)/森 博嗣
- ¥600
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著者曰く、初めて書いたハードボイルド。
だが主人公は、どこかトボけた感じがある。でも森さん特有のインテリジェンスな空気は健在。
一応ミステリーだけど、推理とかどんでん返しとかは期待してはいけない。
この頃の森博嗣はそういった趣向には目を向けなくなっている。もっとスタイリッシュな読み物になっている。
最後も、いくらでも類型的なオチをつけられただろうに(例えば、彼女が主人公の前に現れるとか)そうしないのが、今の森博嗣。
割とあっさりと終わる。
そこが不満という読者もいるだろが、長くこの著者の本を読んでる者からすると納得のいく結末なのだ。
「森さんはこうだよね」的な感じ。
洒落た会話だけでも楽しい一冊です。