本の話題です。




作家の京極夏彦氏が、新刊『ルー=ガルー2 インブクス×スクブス 相容れぬ悪魔』を、単行本・ノベルス・文庫・電子書籍の4形態で同時発売するというニュース。



これは素晴らしい。

欧米では、単行本とペーパーバック(文庫的なやつ)は同時発売されることがほとんどだけど、なぜか日本では単行本刊行→約3年後に文庫化というプロセスが常識になっているのだ。



これはまぁ、出版社が利益を考えての策略なのだろう。初めに、値段が高い単行本をたくさん売りたいという思惑。



しかし京極氏が言うように、「文庫が単行本の廉価版、軽装版だと考えるのは送り手側の幻想」なのだと、自分も常々思ってきた。



現に、つい最近、早川書房が『謝罪代行社』という翻訳ミステリを、ポケミス(新書に近いサイズ)と文庫の同時発売にしていて、自分はポケミス版を買おうと考えた。

(しかしなかなか本屋に売ってなくて、いまだに買えてないw)




このように、人それぞれ求める形態は違うのだ。

安けりゃ良いという人もいれば、高くても単行本が好きという人もいる。

本の造りそのものにも影響されるだろう。(文庫まで待つつもりだったけど装丁が素敵だから単行本買っちゃった的な)



この辺を、日本の出版社はあまり把握していないのではないかと思う。(主観)



いつまでも古い形式に囚われていなくてもいいのだ。

もっと自由にいこう。



京極氏と同じような主張をしている作家は割といる。しかしそれが受け入れられることは今までほとんどなかったようだ。



京極夏彦だからこそできたこと、と言えるかもしれない。



同じく人気作家の宮部みゆき氏も、『おまえさん』を単行本と文庫の同時発売にするらしい。



これまた、宮部みゆきほどの作家だからこそ通った企画なのだろうw




ちなみに『ルー=ガルー2』のお値段は、単行本が3200円。ノベルス・文庫(上下巻)・電子書籍が1400円らしい。



前作『ルー=ガルー』(もう何年前だろう……。やっと続編が出るのだw)をノベルスで買った自分としては、今回もノベルスで買うつもり。



それにしても単行本高いなw

日本作家の本で3000円超えは珍しい。

でも装丁が物凄く素晴らしくて、そのときお金に余裕があったら単行本にしてしまう可能性も否定できないのが本好きの悲しい性w