書き下ろし日本SFアンソロジー 『NOVA4』



NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)/著者不明
¥998
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翻訳家/書評家の大森望編 日本SFアンソロジーの第4弾。



今回はなんと、京極夏彦の短編が。



『世にも奇妙な物語』で映像化できそうなお話でした。




個人的に良かったのは、斉藤直子『ドリフター』、森田季節『赤い森』、最果タヒ『宇宙以前』、山田正紀『バットランド』。



特に斉藤直子は、小説の巧さ、文章の巧さ、セリフのセンスの良さなど、素晴らしかった。

もっと短編を書いて、短編集とか出してほしい。




今回は全体的にSF度が薄い感じだが、山田正紀の中篇『バットランド』だけは本格SFだった。

本格SF過ぎて、ちょっとよくわからないところもあったが、ベテランの筆力に圧倒された。さすが。





このアンソロジー、4巻まで読んできたが、個人的に今までで一番良かった短編は、飛浩隆の『自生の夢』。

これはもう頭一つ抜けた感じ。星雲賞も獲ったし。



次点が、瀬名秀明の『希望』かな。

これは一度読んだだけでは理解しきれない哲学SF。

文章から漂う得体の知れない不安感も素晴らしかった。



すでに『NOVA5』も買ったので、そちらにも期待。