最近買った本を勝手に紹介する、なんだか不毛なこのコーナー。
まずはなんといってもこの本。
サミュエル・R・ディレイニー 『ダールグレン』
- ダールグレン(1) (未来の文学)/サミュエル・R・ディレイニー
- ¥3,360
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- ダールグレン(2) (未来の文学)/サミュエル・R・ディレイニー
- ¥3,570
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上下巻(1、2巻)で、6930円也。
書店で1時間ぐらい迷ったあげく、買ってしまった……。
この本は、アメリカのSF作家、サミュエル・R・ディレイニーが30年以上前に刊行し、賛否両論の渦を巻き起こした伝説の超大作。
日本では「もうじき出るよ」といわれ続けながら一向に出ず、幾度となく発売延期を繰り返し、ついには誰も信じてくれなくなった狼少年的小説、それが『ダールグレン』w
本当に発売したことが奇跡といえる、そんな本なのです。
ディレイニーは黒人のゲイ作家(←カミングアウトしてる)で、幾層にも連なったメタファー構造が作風の特徴。
ジーン・ウルフと共に、「一回読んだだけじゃ理解しきれない作家」として有名ですw
次は、津原泰水 『11 eleven』
- 11 eleven/津原 泰水
- ¥1,785
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超絶技巧な短編集、『綺譚集』以来の短編集。
津原泰水の短編は、あらゆる文学賞を取ってもいいのではないかと思えるほどのハイクオリティ。
しかしそういった文学賞には縁が無い作家。なぜだ。
書き下ろし日本SFアンソロジー『NOVA2』に収録されていた『五色(ごしき)の舟』を筆頭に、幻想小説、SF、純文学といった短編が収められている。
とりあえず、『五色の舟』だけでも読んだらいい。圧倒されるから。
それにしても装丁が素晴らしすぎる……。(著者自装らしい)
最後は、新刊ではないけど、ボストン・テラン 『神は銃弾』
- 神は銃弾 (文春文庫)/ボストン テラン
- ¥870
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2002年版の《このミステリーがすごい!》で、海外編第1位を獲得したデビュー作。
最近では、『音もなく少女は』で有名かな。
《暴力の詩人》と呼ばれているらしい。それは嬉しいのかどうなのか判断しかねるw
そんな感じで、『ダールグレン』のせいで他に本が買えなくなったのでした。
約7000円を一冊(正確には二冊だけど)の本につぎ込んだ自分を褒めてやりたい。いや、叱ってやりたいw