コニー・ウィリス 『ドゥームズデイ・ブック』



ドゥームズデイ・ブック〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)/コニー ウィリス
¥987
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ヒューゴー、ネビュラ、ローカスの英米主要SF賞を受賞したタイムトラベルSF。



主人公のキヴリンは、中世のイギリスへとタイムトラベルするが、着いて早々病に倒れてしまう。



一方、現代(2054年)でも、ウイルスの蔓延によってパンデミックが起こり始めていた。




同じシリーズの姉妹編に『犬は勘定に入れません』というコメディSFがあって、そちらは喜劇。(超面白いのでおススメ)



そしてこちらは悲劇。



黒死病(ペスト)の世界。



世界そのものが墓場になってしまったかのような絶望の世界で、キヴリンは奮闘する。



現代でも、ダンワージー先生が、パンデミックの中、教え子のキヴリンを救出するために奮闘する。



最後のほうは、読むのが辛くなるほど『死』が世界を包み込む。



それでも作者の筆力によってぐいぐい読まされてしまう傑作です。




このシリーズの3作目、『Blackout/All Clear』が本国では刊行されたらしいが、三千枚級の超大作なので(ちなみに『ドゥームズデイ』は千七百枚)、日本語で読めるのはいつのことやら……。