貴志祐介 『天使の囀り』



天使の囀り (角川ホラー文庫)/貴志 祐介
¥820
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最近では、『新世界より』や『悪の教典』で有名な貴志祐介の初期の頃の作品。



初期の頃でもさすがは貴志祐介。抜群に面白い。



主人公の女性の恋人は、病的な死恐怖症だったが、アマゾンへの取材旅行から帰ると一転、異常なまでに死に興味を持つようになり、ついには自殺してしまう。『天使の囀りが聞こえる』と言い残して……。



この『天使の囀り』の正体が○○という現実的なものであるが故に、「もしも自分に天使の囀りが聞こえてしまったら……」という馬鹿げた妄想が笑えないものになってくる。



読後にもリアルな恐怖を残すという、まさにホラーの真髄。



若干グロテスクな描写があるので注意。