本の話です。



アメリカで刊行されたペーパーバックのSF小説に贈られる《フィリップ・K・ディック賞》を、日本人が始めて受賞するという快挙が成されました。



受賞といっても(Special Citation Award)という、いわば《特別賞》ですが。



それでも、日本のSF小説がアメリカのSF賞を受賞するなんて史上初なのです。ノミネートされたことすらなかったのに。



受賞したのは、伊藤計劃 『ハーモニー』



ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)/伊藤 計劃
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伊藤さんは、第一長編『虐殺器官』でデビュー(こちらもベストセラー)、第二長編がこの『ハーモニー』で、星雲賞、日本SF大賞、ベストSF第1位などなど、数々の栄誉に輝いた長編。



しかしこの『ハーモニー』出版後、2009年3月に病気により逝去。



これらの栄誉を知ることなく、世を去ってしまったのでした。



自分は単行本のときに読んだのですが、文庫版の白一色のシンプルな装丁が美しいこの本、ぜひ御一読を。



人類の行く末について、深く考えさせられます。



デビュー作の『虐殺器官』から読んでもいいでっせ。



虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)/伊藤 計劃
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こちらは一転、黒一色のカッコイイ装丁。



どちらも、ゼロ年代の到達点と呼ばれた傑作です。