梓崎優 『叫びと祈り』



叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)/梓崎 優
¥1,680
Amazon.co.jp


第五回《ミステリーズ!新人賞》を受賞した短篇、『砂漠を走る船の道』を筆頭に書かれた連作短編集。



年末のミステリーランキングでも、軒並み上位を獲得した驚きのデビュー作。



主人公の斉木が、世界各地を渡り歩いて出会った謎の数々。



異文化の論理によるホワイダニット(動機)と、叙述トリックの融合が素晴しい。



詩的な文章も巧いが、情景描写がちょっぴり判りづらいのは、自分の想像力の欠如のせいかもしれないw



五つの短篇すべてが高水準の本格ミステリだが、最後の短篇は意外なストーリーになる。



それまでの四つの短篇が意味を成してくる話だが、無くてもよかったという意見もわからなくはない。



とにかく、これからが楽しみな作家さん。



ちなみに、本屋大賞の候補にもなったみたいです。