貴志祐介 『悪の教典』



悪の教典 上/貴志 祐介
¥1,800
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第1回山田風太郎賞受賞。 直木賞候補にもなった。



《このミステリーがすごい!》と《週刊文春ミステリーランキング》で1位。



噂に違わぬサイコパス小説。



共感能力がまったく無い主人公、蓮実聖司。通称『ハスミン』。



こんな人間が高校教師をやっていて、しかも生徒達に大人気なのだから恐ろしい。



まさに怪物。



物語の前半は、ハスミンの人気っぷりと、有能っぷり、そして密かに顔を出す本性に背筋が凍る。



ってゆうか、この学校、嫌な教師いすぎだろw



そして後半、もはや笑えてくるほどの血みどろ大殺戮劇が幕を開ける。



夜の校舎で、信用していた担任教師が散弾銃を持って自分たちクラスメイトを皆殺しにしようとしていたら、これはもう恐いどころではない。



しかしこれが面白いのだ。



こんなにも極悪非道で至上最悪の殺人劇が面白いのは、作者が『悪』を徹底的にエンターテインメントに仕立て上げているからだろう。



中途半端さは無い。



とにかく、『悪』だ。『怪物』だ。



だから面白い。

やり過ぎているからこそ面白いのだ。



こんな作品が直木賞の候補になっただけでも驚きであるw




下巻を、真夜中に一気読みしたので、自分の神経までおかしくなってしまったような気がしたw



口笛を吹きながら、ネズミでも退治するかのように生徒達を殺していくハスミン。



校舎中に散らばる死体の山。



なんという地獄絵図。




作者によれば、続編があるかもしれないという。



読みたいような、恐いような……w