石持浅海の、『君の望む死に方』
- 君の望む死に方 (ノン・ノベル)/石持 浅海
- ¥880
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なんともユニークな設定のミステリ。
ある日癌で余命半年を宣告された企業の社長。
そんな社長は、ある理由から自分を恨んでいる若手社員に自分を殺させようと決意する。
一方その若手社員も、熱海の保養所で行われる研修で、社長を殺そうと企んでいた。
社長は殺されたがる。(しかし、それを相手に悟られてはいけない)
若手社員は殺したがる。(社長が、殺しやすいように工夫してくれているのは知らない)
双方の思惑は一致して、スムーズに殺人が行われるかと思いきや、ここに強敵現る。
前作、『扉は閉ざされたまま』で登場した探偵役、碓氷優佳である。
優佳はその聡明な頭脳で、ジワジワと二人の思惑に気づき、それとなく妨害していくのだ。
自分を殺させるためにあれこれ工夫をする社長と、社長を殺すためにあれこれ考える若手社員の苦渋がなんとも面白い。
設定勝ちのミステリですね。