ジョナサン・キャロルの、『死者の書』
- 死者の書 (創元推理文庫)/ジョナサン・キャロル
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マーシャル・フランスという作家の伝記を書こうと、フランスの育った町、ゲイレンに赴いた主人公のトーマス・アビイと恋人のサクソニー。
そこでは何かがおかしかった。
バカネタ(褒め言葉です)を使った奇妙なダークファンタジィ。
物語の雰囲気も良いし、マーシャル・フランスという(架空の)作家の人物像や作品も興味深い。
一つマイナス要素なところは、主人公のトーマスが地味に嫌なやつだということだw
伝記を書くために知り合った恋人と作家の町へ行き、その町で作家の娘のアンナと浮気をした挙句、最後はサクソニーに町から出てってくれと言う(事情があるんだけどね)、結構自分のことしか考えてない自己中なやつなのだ。
映画スターだった父親について他人から言及されるのを必要以上に嫌がるところは、自意識過剰としか思えないし、恋人(サクソニー)を町から追い出したとたん、寂しくなって戻ってきてほしいとか思ったり。
そんな主人公の、何気に嫌な性格が気になって、いまいち話に乗れなかったのも事実。
でもバカネタと雰囲気はおもしろいですよ。たぶん。