本の話です。



トマス・ピンチョンは、アメリカの作家で、とにかく人前に出ないことで有名な作家です。



どんな顔なのかもわからない。

プロフィールもよくわからない。



『重力の虹』で、アメリカ最高の文学賞、《全米図書賞》を受賞したときも、授賞式に本人は現れず、謎のコメディアンが代わりに受賞スピーチという名の意味不なジョークを連発して帰ったという伝説を持ちます。



ノーベル文学賞の候補に何度もなっているらしいですが、受賞しても式に現れないのではないかと危惧されているそうですw



そのトマス・ピンチョンの小説を読もうと思ったら、ほとんどが絶版になっていて買えない。



『ヴァインランド』が、河出書房新社から新訳で出てるだけで、『重力の虹』も、『V.』も、『競売ナンバー49の叫び』も、田舎のショボイ本屋では買えない。



そんなとき新潮社が、《トマス・ピンチョン全小説》と題して、ピンチョンの小説を、新訳、改訳、訳し下ろしで版行していくという朗報を得ました。



第1弾として、『メイスン&ディクスン』が版行されましたが、値段が高くて中々買えず。(上下巻合わせて7560円)



そして第2弾として今月末、『逆行』が出るわけなんですが、これがなんと、上下巻合わせて1712ページ、お値段は上下で9240円という、アホまっしぐらなページ数と値段。



こんなのたやすく買えるかぁぁぁ。



1冊で800ページ超えるとか、日本の小説界ではありえないことなのに、それが上下2冊も。



辞書だよ辞書。

持ち歩き、不便すぎるわw



机の上に置かないと読めないんじゃないだろうか。



読みたいんだけどな~。

ページ数はともかく、お値段が……。



しかもこの『逆行』、とある評論家によれば、「決して万人が面白いと思う小説ではない」的なこと言ってるし。



そんなデンジャーな本に、9240円出せるだろうかw



個人的に一番読みたいのは、『重力の虹』なんだけど、これが出るのは来年の9月らしい。

1年後かよ。



どうしましょう。



色んな意味で破天荒な作家、トマス・ピンチョンの話でした。