三浦しをんの『秘密の花園』
- 秘密の花園 (新潮文庫)/三浦 しをん
- ¥460
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珍しく、純文学系を紹介。
ミステリーでも、恋愛小説でもないような気がするので、おそらく純文学だと思う。青春小説かな。
『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を受賞し、『風が強く吹いている』が映画化もされた著者の作品。
女子高に通う、三人の少女たちの、それぞれの秘めごと。
甘美な痛みを含んだ流麗な文章によって、自分のなにかが《壊れてしまう》ことへの追悼のような日々が描かれる。
《痛み》は時に、人を壊してしまうけれど、痛みのない人間はどこかつまらないようにも思う。
個人的には、「洪水のあとに」の主人公である、那由多が好き。