小川一水の『老ヴォールの惑星』



老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))/小川 一水
¥798
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中編が4つ収録された、SF短編集。

どれも面白く、SF好きでなくても楽しめる。(表題作の、「老ヴォールの惑星」だけは、ちょっとイメージしづらいかも)

個人的に良かったのは、「幸せになる箱庭」と、「漂った男」。

前者は、仮想現実と現実のお話。

実際、どちらが幸せなのか、と考えてしまう。

後者は、表面積8億平方キロという広大な惑星の海を、ひたすら漂流し続ける男の物語。

非常にシンプルな設定だが、非常に面白い。

スケールのでかい漂流譚である。

他には、地下迷宮に投獄されて、そこで社会を築いていく、「ギャルナフカの迷宮」がある。