キューガーデン(キュー王立植物園)と分園「ウェイクハースト」のお話 | 熱帯雨林を歩く

キューガーデン(キュー王立植物園)と分園「ウェイクハースト」のお話

 

パームハウス

 

 

 

キューガーデン(キュー王立植物園)と分園「ウェイクハースト」

 

 キューガーデン(キュー王立植物園)と分園「ウェイクハースト」のお話をします。

 

Rainbowtown FM・Stand by Me (レインボータウンFM) 

2022年11月17日(木) 14:00~ 15:00 

 

出演者 

ニ僑 礼(パーソナリティ)

上島善之(フリーライター)

 

 

下記のHPので聴くことができます。画像も見ることができます。右上のYouTube Liveをクイックしてください。

http://885fm.jp/timetable

 

 

 

 

 

キューガーデン正門

 

 

1.キューガーデン(Royal Botanic Gardens, Kew)

 「キューガーデン(Royal Botanic Gardens, Kew)」は、世界最大の規模を誇る植物園として知られています。正式名称はキュー王立植物園

 キューガーデンは18世紀、ケープル卿が熱帯植物を集めた庭が始まりで、1759年にオーガスタ皇太子妃が宮殿の庭園として整備されました。その後1840年には植物園として市民に開放されています。

 大英帝国時代に世界各地から集められた4万種以上の植物と700万種を超える標本も所蔵されています。また、植物の研究機関として種子収集貯蔵するシード・バンクとしても知られています。世界の植物学研究と植物保護の最前線植物園となっています。

 敷地は約120ha(東京ドーム約30個分)あります。

 

 

 

 

 

パームハウス(Palm House)

 

 

 

 

 

 

装飾された鉄骨のらせん階段を上がります

 

 

パーム・ハウス(Palm House)

 現存するビクトリア様式のグラスハウスとしては世界最大で、ヴィクトリア時代のガラス建築としても貴重な建物となっています。デシマスバートンによって設計され1863 年月に建設が始まり、36 年間続きました。

 キューガーデン象徴する存在となっており、ヤシ類、パームを展示する温室。鉄骨のらせん階段を登り、温室内部を見下ろしながら歩くことができます。

 建てられた当時は、石炭式ボイラーで温められていましたが、1950年代に電化されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

オオニバス

 

 

オオオニバス(Victoria amazonica

 キューガーデンは、スイレン科オオオニバス属の新種を発見したと発表しました。新種の発見は19世紀半ば以来だそうです。

 オオオニバス属はこれまで、「オオオニバス(Victoria amazonica)」と「パラグアイオニバス(Victoria cruziana)」の2種類が知られていました。新種は、キューガーデンで177年間、ボリビア国立植物標本室(National Herbarium of Bolivia)で34年間、気付かれずにいたそうです。

 

 

 

 

 

 

新種のオオニバスを見ることができます

 

 

 

 

 

新種のオオオニバス属「Victoria boliviana」は、野生では葉の直径が3メートルにもなり世界最大です

 

 

 

 

 

 

 

テンペレイトハウス

 

 

テンペレイトハウス(Temperate house)

 豪華なエントランス装飾など、建物の構造が美しいテンパレートハウスは、1859年に建てられました。テンパレートハウスは、世界でも特に大きなヴィクトリア朝の温室といわれています。2018年には5年間の修復を終えて再オープンしました。160年ぶりに花を咲かせたアフリカのプロテア、世界でも特に長いといわれているチリ産のワインパームなど貴重なコレクションがあります。

 

 

 

 

 

 

 

今年の10月、ハウス内でメキシコの「死者の日」のイベントが行われていました

 

 

 

 

 

 

プリンセス・オブ・ウェールズの温室(Princess of Wales Conservatory

 故ダイアナ妃によって建てられた温室です。三角形が重なったデザインが斬新で、世界各地の植物に合わせて、コンピュー タ制御により気温を調節し、熱帯乾燥地方と湿潤熱帯地方など10の気候帯を再現しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空中樹冠観察路(Treetop Walkway)

 地上18mに設置された空中散策路があります。木々の樹冠を見ることができます。

 

 

 

 

 

 

足元が透けて見え、なかなかスリルがあります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋一面に展示されています

 

 

マリアン・ノース・ハウスMARIANNE NORTH HOUSE

 マリアン・ノース・ハウス。マリアン・ノースが描いた油絵画832点が常設されています。彼女は30代後半の時に病気の父親の最期を看取った後、1890まで植物画を描き続けました。北南米、インドや日本など世界中を旅し、過酷な自然の中で描き続け

ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャーリー・シャーウッドギャラリー

 

 彼女は1933年生まれのイギリスの作家・植物学者で、シャーリー・シャーウッド・ギャラリーはボタニカルアートのみを専門とするギャラリーで、現代植物アートを楽しむことができます。

 

 

 

 

 

 

16世紀に建てられた邸宅と庭園

 

 

2.キューガーデンの分園「ウェイクハースト」

 ロンドン郊外のウェスト・サセックスに、キューガーデンの分園「ウェイクハースト」があります。ロンドンから電車とバスで1時間ほどの所にあります。ここはキューガーデン(約132ヘクタール)を上回る約190ヘクタールという広さがあります。ぐるりと一回りすると約3.6キロあります。

 16世紀に建てられた邸宅と庭園、そして森や湖などがあり、1903年にこの場所を買い取ったジェラルド・ローダー(後のウェイクハースト卿)が、33年間の時間を費やして庭園を発展させました。この頃、英国の上流階級では海外の珍しい植物を収集することが一種の流行で、世界から植物が集められました。

 その後、植物学に大いに貢献した事業家ヘンリー・プライスの手を経て、ナショナルトラストに寄贈されました。

 1965年に王立植物園が100年間のリース契約をし、現在はキューガーデンの分園という位置付けになっています。

 ロンドンに比べて降雨量が多く、空気が澄みきり、土壌が肥沃で酸性に近いとことなどから、キューガーデンとは違う木を育てることができるといわれています。

 ウェイクハーストは、入り口付近の標高が一番高く、最も低い場所との高低差が70メートルあります。南西端にある湖脇の「ウェットランド」へ湖に向かう坂道から変化のある光景が望めます。

 建物の中に「ミレニアム・シード・バンク」があり、絶滅危惧種を含む世界中の植物の種を保存する種子銀行で、研究機関の役割を果たしています。

 現在までに約4万種以上の植物の種2兆個を保存しているといいます。ガラス張りで、研究者の仕事の様子を見ることができるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

広大な森が広がっています

 

 

 

 

 

 

 

ウェイクハースト卿について