熱帯雨林を歩く■熱帯雨林の豆知識-はじめに- | 熱帯雨林を歩く

熱帯雨林を歩く■熱帯雨林の豆知識-はじめに-


熱帯雨林を歩く
                              ●トルトゥゲーロ国立公園(コスタリカ)       

 

                                        はじめに

 

地球上でもっとも太陽のエネルギーを受けている地域に、赤道を中心に広がる「熱帯雨林」があります。熱帯雨林は、太陽のエネルギーを木や草や花に形を変えながら、巨大なエネルギーをたくわえています。

また、太陽のエネルギーによって蒸発した海水は雲になり、熱帯の森に雨をもたらします。森は水をたくわえ、ゆったりと川にそそぎこみます。

 

熱帯雨林は、地球上の森林の7%ほどを占めるすぎませんが、植物や動物をはじめ多くの種類の生物のおよそ半数がこの熱帯雨林にあるといわれています。現在でも、さらに新しい種類の植物や動物が発見されています。

 

しかし、世界の熱帯雨林は、最近毎年すざましい勢いで熱帯雨林がなくなっています。ブラジルアマゾン川流域の9州では、400万平方キロメートルあった森は2011年までにおよそ19パーセントにあたる76万平方キロメートルが失われました。これは日本の面積の2倍の広さにあたります(ブラジル国立宇宙研究所:GLOBE 2012.10.21 朝日新聞」)。

 

熱帯雨林は、地球全体の気候や地球上に生きる人間をはじめ、あらゆる動物や植物に大きな影響を与えています。この地球環境に大きな影響をもっている熱帯雨林を失うと、どういうことになるのでしょうか。

 

それは、わたしたち人間やあらゆる生物の生きる環境を地球的規模で悪化させることを意味しています。また木材などの資源がなくなるというだけではなく、病気治療や食料を増やす可能性をもつ遺伝子などがなくなってしまうことにもなります。これは次の世代の若い人々の希望をうばいとってしまうことにもなりかねません。

 

また、森とともに生きてきた人々の生活をうばい、長い間、彼らの持っていた「森の知識や文化」を失うことにもなってしまいます。今日のわたしたちにとって熱帯雨林は、今後の将来にとって重要な位置を占めているといえます。

 

そんな地球の生命線ともいえる熱帯雨林とは、いったいどんな姿をしているのでしょうか。これから熱帯雨林についてお話したいと思います。それは、熱帯雨林をよく知ること、つまり「知識」得ること、それが熱帯雨林を守る「力」になると思うからです。

 

熱帯雨林について知り、森を残すためにどうしたらよいのか、みんなで考えるヒントになればと思います。


熱帯雨林を歩く
                                            ●ヘリコニア(マレーシア・ボルネオ・ポーリン温泉)