アフリカの熱帯雨林を歩く■アマゾン、ボルネオ、中央アフリカの森を旅して | 熱帯雨林を歩く

アフリカの熱帯雨林を歩く■アマゾン、ボルネオ、中央アフリカの森を旅して

■「似ているようで違う」三つの熱帯の森を旅して


熱帯雨林を歩く

                ●これまでに訪れた熱帯の森 青線は今までに乗ったバス路線
  地図参照:
http://jp.mongabay.com/rainforests/0102.htm

ガボンのロペ国立公園の森を歩いていると、ボルネオやアマゾンの熱帯の森と似ているようだが、どこか違って見えてくる。

これまで訪れたアマゾン、ボルネオ、そしてここロペの森も同じように熱帯の深い森におおわれ、多種多様な動植物が多く生息していた。

それでも特徴ある樹木は三つの森では違ってくるし、ほかの植物もそこにすむ動物も昆虫も違っていた。


かつて一つだった森は、パンゲア大陸の分裂とともにあるもの生き残り、あるものは滅亡した。またあるものは進化し、あるものは進化を止めた。この間の何億年という時間の流れが、「似ているようで違っている」三つの森を生み出してきた。


三つの森は「どこか違う」ことによって、さらに地球に多くの多様性をもたらした。


また三つの森は、そこの地域に住む人々にさまざまな恩恵を与え、独自の文化ももたらした。三つの森には、自然だけでなく「似ているようで、違っている」人々の暮らしもあった。三つの熱帯の森は、文化の多様性ももたらしていた。


三つの森を歩き旅した距離はほんのわずかで、ほんの一部分だが、地球にこれほど多様な自然と多様な文化、そして多様な人々がいることにあらためて喜びを感じた。まだまだ知らないこと、知りたいことが、地球にいっぱいあるというその喜びである。


「歩きたかった熱帯の森」は、森を通じてそれらの喜びの一端を教えてくれた。一方、熱帯の森は確実に減っていた。三つの森の周りでは、人間の手によって森は縮小していた。


森がなくなることは、今まで地球が何億年もかかって育んできた森にすむ多くの生物を絶滅させることになる。このことは、将来にわたって役立つかもしれない森の可能性を、わたしたち「今」の人間がつぶすことになる。

また、森の消滅とともに森とともに育った文化も消え、多様な文化がやせ細っていくことになる。


この厳しい状況の中でも、森を守っていこうとさまざまな取り組みをしている人々がいるのことも知った。森を守るためには、地元の人々の生活を守り、彼ら自身が森の価値を見つめ行動する、そのために何ができるか。旅が終わってもこの問いは終わらない。

 

地球の上に、自然も人も文化も多様性であふれること、そしてそれを守り認め合うことが、「熱帯の森を歩く」ことで得た最大の宝と思っている。


熱帯雨林を歩く
          「熱帯雨林を歩く」-エンダウ・ロンビン国立公園(マレーシア


※「熱帯雨林を歩く」訪れていただきありがとうございました。このシリーズは一旦終わり、これから「熱帯雨林の豆知識」を紹介し、熱帯雨林を理解するためにお役に立ればと思います。