鏡の前に座る焼きたてのフランスパン。
自分の美しさに溺れ、
一歩も鏡の前から動かない。
三日後、まだフランスパンは鏡の前にいる。
生まれたての瑞々しさは失いつつも、
自分自身の美貌に誇りをもって、
キッとした表情で
たおやかな佇まいを自己演出していた。
それから一週間。
フランスパンはまだ鏡の前で自分に溺れている。
かさかさになって、はがれ落ちた小麦の皮膚。
もう価値が無くなってしまったその姿を見て、
フランスパンはやはり一歩も動くことができなかった。
乾燥しきった窪みと湿気でやや艶っぽくなった先端の丸み。
その老いを謳歌するように、
フランスパンはいつものように鏡を眺め、
今もなお、すらっとした身を誇らしげに
携えていた。
やがて、丸みを帯びたつま先が
カビで青く染まってくる。
それでもフランスパンはその場を動かずに、
鏡を眺め、
青色の成長を我が子の様に見守っていた。
自分の美しさに溺れ、
一歩も鏡の前から動かない。
三日後、まだフランスパンは鏡の前にいる。
生まれたての瑞々しさは失いつつも、
自分自身の美貌に誇りをもって、
キッとした表情で
たおやかな佇まいを自己演出していた。
それから一週間。
フランスパンはまだ鏡の前で自分に溺れている。
かさかさになって、はがれ落ちた小麦の皮膚。
もう価値が無くなってしまったその姿を見て、
フランスパンはやはり一歩も動くことができなかった。
乾燥しきった窪みと湿気でやや艶っぽくなった先端の丸み。
その老いを謳歌するように、
フランスパンはいつものように鏡を眺め、
今もなお、すらっとした身を誇らしげに
携えていた。
やがて、丸みを帯びたつま先が
カビで青く染まってくる。
それでもフランスパンはその場を動かずに、
鏡を眺め、
青色の成長を我が子の様に見守っていた。