ニコニコ笑いながら現れた試験官。全く厳しさを感じられない包容力満載なお方です。
「これは今日のテストはチョロいぜ」と何もしてないのに既に受かった気分の私。
一時停止やら縦列駐車、危うい部分もあったが何とかクリア。
「オッケー。ねえねえ、日本語の練習して良い?(英語)」
「いいよー」
「チェンジレーン右~、チェンジレーン左~♪(日本語)」
「うん分かるよ!」
「オッケー、じゃあこれで指示するからね。出発しよう(英語)」
すっかり緩めの気分になったポンコツ。万が一に備えた通訳の夫も乗せ、いざ路上試験へ出発
「♪♪(今までシュミレーションをしてきたルートに乗れば余裕でしょ)」
「ヒダリ~」
「Yes♪(ん?右折じゃないんだな。まあでもルートが一緒なら逆向きでも大丈夫)」
「まっすぐ~」
「Yes♪(まっすぐ行くのか。お初な道だけどこの辺りは何となく分かるからいいか)」
「そのまま~」
「・・・・?」
なんかおかしい。
このまま直進したら、私の想定する高速道路には絶対いかなくない…?
妙にソワソワし始める私をよそに隣の試験官は
「チェンジレーン左~、右~、左~、右~♪左~♪(日本語かなり上手)」
早速、過去の駐在員達の経験回数をはるかに超えた車線変更を指示してきたのである
赤信号の為停止し、助手席の先生のお顔をちらっと見ると目が合った。
「大丈夫!!!グッジョブ!!!」いいねポーズで満面のスマイル。
(大丈夫じゃない!!!マジでこの道知らんし!!!
このまま高速入ってもゴールが見えないんだけど!!!
そもそも知らん高速で合流できんから)
虚しくも、赤信号は青に変わり、発進せざるを得ないポンコツカー。
ニコニコ試験官にあっちだこっちだと誘導され、
走ったこともない一般道をぐるぐる走らされ...
「はい、ここ入って~♪」
と誘われた高速は、調べた情報には一切無かった高速道路。
(やばい、本当にわからん!!!このまま3人事故ったらどうしよう
あ、でも保険効くかな愛犬よ、逞しく生きろよ…)
とか。感情も大渋滞のまま、死に物狂いで合流。
挙句の果てにスピード制限60マイルを大幅に超えた75マイルで爆走…。
「私、この道路走ったことありません」と泣きついたものの、
試験官は私のへっぽこ英語が分からないのかな顔。
しかし、こんな時でも足掻く私は夫に話しかけます。
「ねえ、私の英語が通じてないみたいだから通訳してください」
夫、渋々私の言った言葉を改めて通訳するも、試験官は。
そりゃそうやな…今更ルートは変えられない、そもそも試験はそういうもんだ
人様の情報に頼り切った甘々思考のポンコツ、
とにかく全員を無事に返さねばという使命感だけ携え、
終わりの見えない高速道路を小一時間走り続けることになったのである…
「チェンジレーン左~♪」(回数オーバーの車線変更も続く)
続く