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犬と夫と私とアメリカ

アメリカ生活についての徒然なる日記。

※本日は脳腫瘍の実家の子の現状についてです。

 避けたい方は今回は読むのをお控えください。お願い

 将来、動物の介護をするかもしれない誰かの記憶に残ればと思い載せます。

 

 

 

 

3月中旬頃からでしょうか。

 

実家にいる脳腫瘍の子の体調が一気に悪くなりました。

 

以前は、前足には力がありましたので後ろ足に力がない割には歩くことはできました。

(トイレは母が後ろを抑え用を足していた。)

 

 

しかし突然、起き上がることが全く出来なくなり、寝たきりになりました。

 

脳腫瘍の影響で体が動かなくなったそうです。

 

ここ2週間は固形の食事は食べられず、シリンジに柔らかいものや液体を入れ栄養を取っている状態です。

 

プリンとかAD缶、人間の子供の離乳食とか。

(口に近づけて彼がその時食べたいものがあるときは食べるといった具合)

 

体には全く力が入っていませんので、持ち上げたら首もだれてしまう、といった状況。

 

また、寝たきりになった頃から深夜にか細い声で長時間吠え続けるようになり、

 

母が、暫く抱っこしたり、足をマッサージしたり…。

 

加えて、体が痛がらないよう定期的に寝る姿勢を変えてあげ、おむつを替え、食事を与え、撫でて寝かせ、

 

そして2日に一回は近くの病院へ補液と他の薬の注射を打つために通っています。

(この頻度では大学病院へ通うことも困難になりました)

 

大学病院からは、夜泣きするのは認知症の症状。腫瘍の進行より内臓の悪化が進んでいる、肺に水が溜まっている様子も見受けられるので呼吸が次第になくなり、眠るように旅立つのではないか、もしかしたら残り1週間かもしれない、


と言われていました。

 

 

そんな最中の4月8日、快晴。

 

皆既日食でアメリカが盛り上がっていた日、私も世紀の瞬間を心待ちにし空を眺めておりました。

 

まさに全てが重なる瞬間、実家から「もうダメかもしれない、息が殆どない」と連絡が入りました。

 

昼なのに薄暗い、不思議な空間の中で「逝かないでほしい、助けてあげてほしい」と太陽に向かって願っている自分がいました。

 

(何のドラマですかというシチュエーションで、書いていて恥ずかしいですが…でも本気でした)

 

幸い、息を吹き返しましたが、毎日このような日々の繰り返しです。

 

 

 

私はアメリカにおりますので、米国のお昼時間が日本の深夜と逆転してますから

 

家族が寝ている間は、私が時々ドッグカメラで彼の様子を確認しています。

(苦しんでないか、泣いていないか等)

 

帰ってあげたいですが、私にも愛犬もいますし夫の仕事もあります。

 

突然現れて、体調を悪化させたくもありません。

 

そのための11月の一時帰国でしたが、犬の介護がこんなに大変なものとは、と遠くにおりますが痛感します。

 

母曰く「人間と同じくらい大変、でもこれが生き物を飼う人の責任」と毎日懸命にお世話しています。

 

 

 

 

こんな状態でも、あの子に意識はあるんですよ。

 

電話越しでも私が話しかければ耳と目は動きます。

 

認知症になっても今でも覚えてくれています。

 

私と家族が彼の周りを囲み、いつも通りの会話を楽しんでいれば、落ち着いて眠りにつきます。

 

彼にとっては、元気に走り回っていた時と気持ちは一緒なのかもしれません、

 

だから私たちにもいつも通りいてほしいのかもしれない。

 

 

 

彼が泣く理由は誰にも分かりませんが、うちの愛犬は分かっているのか、

 

携帯から声が聞こえると、ベッドから出てただじっと耳を立てて静かに座って聞いています。

 

 
日本に居た時は一緒にいる時間も長かったので、誰の声かは理解しており、

 

聞いても興奮せずただ黙っているので、どんな意味なのか分かっている気がします。

 

 

 

9月に余命宣告を受け7か月経ちました。

 

1、2か月しか持たないと言われましたが、本当に良く頑張っています。

 

でも決して良くなることはない。

 

お別れの時間が近づくだけ。

 

居なくなってほしくない、でもきっと苦しいだろう、

 

あと少しの時間を穏やかに過ごしてほしい、、、

 

様々な気持ちが沸きあがる毎日です。

 

 

長年のお友達がお見舞いにきてくれているそう。
お互いおじいちゃんで目が見えないので、匂いを嗅ぎあって暫く会話しているそうです。
ちょっとほっこりしますね。