あれは機械ではない。
皆様、おはようございます。
SykA. です。
イルカ団!PRESENTS
RATATATTAT! × ガストン・ルルー
『GRAND GUIGNOL
“La Machine” & “Le Fantôme de”』
…を、観劇して参りました。
ふう。ここまで入力するのに7分はかかった。
普段、舞台関係を発信するのは
Re:ONなのですが、『KARASU』に引き続き今回は私です。なんと言ってもあの、
Gaston Leroux。
私、彼の薄靄のかかったような奇怪で美しい世界観がとても好きなんです。
今回も、Re:ONの伝で観劇して参りました。
2019年の11月、
Re:ONが舞台で共演させて頂いた、
小林 都さんというこの上なく素敵なレディがいらっしゃるんですが、その都さんが出演されるとのことで、御連絡を頂いたのです。
有難いことです。
都さん、そのまま みやこさんと読むんですが、
素敵な名前ですよね。字も素敵。
人柄も素敵。声も素敵。歌も素て…
待って終わらない。夜が明けてしまう。
さて。
『GRAND GUIGNOL
“La Machine” & “Le Fantôme de”』
二手目はコピー&ペーストよ。
一言で言いますと、流石Gaston Lerouxとでも言いましょうか、よく描き込まれた絵画のような、じっくりと時間をかけて細部を見ていきたくなる、奥深い物語でした。
ただ、原作はGaston Lerouxですから、
物語の主軸は『La Machine』ですが、
翻訳・構成・脚色・演出においてはオリジナルで小林ヒデタケさんということで、
心持ちとしては、
Gaston Lerouxの『La Machine』ではなく、
あくまでGaston Lerouxの小説を脚色した舞台『ましーん』を観に行くという心持ちの方が良かったかな、とは思いました。
Gaston Lerouxに対して、重厚で、壮麗で…というイメージが強かったので、ライトに、或いは”ツイステッドコメディ”として作品を観ることが初めてだったというその反動でもあるのかな。
作品全体の雰囲気のために、私はからんころん笑うということはしなかったのですが、あちこちに笑いの欠片が散りばめてありました。楽しい舞台です。
あとは、長椅子に約150分の作品で幕間休憩が無いのがちょっと腰にきました。歳かな。
普段、休憩のある作品ばかり観ているせいもあるし、長椅子なので態勢を変えたりすると、隣の人にも振動が直接的に伝わってしまうから、凝としていたというのもあります。
実際、背板が揺れるのが結構気になったので。
この時世、間隔を大きく空いていたのでそのせいもあるのかな。
これからの演劇界について。
さぁ。ここからはちょっと気分を上げて。
飛んでいけ
まずはベシイ・クラヴェンヂッシュ。
演じられたのはもちろん小林 都さんです。
一言を発した瞬間に周りの空気がふわぁっと色づいていくようなその声の響き。
言うなれば、水だけを塗った紙の上に絵具を乗せた瞬間の、あの色の広がり。
透明感があって、
耳から心まですっと心地よく響く。
水彩絵具のような声。
そう。
まるで水槽の中に飛び込んで溶けた絵具みたいな。
イレギュラァァ。
……。
ともかく、他には何処にも見当たらない声だと思います。稀有です。イレギュラー。
…と思わせつつ、
物語の加速するギアが上がる時の、凄みのある声。
「クリスティーヌ、あなたのはずだったのに」
肌が粟立つような心地でした。
そうそう、「これやこの…」もね。
まったく飽きませんね。
そもそもよく声が透るので、
台詞が聞き取りやすい。
かと言って台詞ばかりが浮いているわけではなく、
ベシイの言葉としてちゃんと届く。
誠に素敵に素晴らしい役者さんだなと感じました。
今回、知っている役者さんは都さんだけでした。
そこで、
予備知識ゼロ状態にも関わらず印象を残し、
キャラクターとしてそこにいる姿が一等目を惹いたのは、
ジャック・コータンタン。
演じられたのは、逢沢 脩生さん。
お名前は、しゅう、と読むみたいです。
こちらも良い字。端正な感じがします。
学者様は暴力反対な頭脳派。
一見穏やかで端然たる佇まい。
しかしていつもガブリエルに標的にされ倒される様子は最早愛らしいとさえ思えてくる。
けれども、Gaston Lerouxらしい影というか、
暗闇を纏うような雰囲気がある。
本来感情を持ち得ない"器"に
感情を持たせた始まりの人物であり、
狂気の撃鉄を起こし
そのトリガーを引くガンスリンガー。
いや、本編は西部劇ではない。
そのペルソナの匙加減が絶妙で、
とても上手いと思いました。御見事。
あとは、
赤の衣装が華やかで似合っていたこと。
それをサッスーンってする様子が妙に板についていたこと…ですかね。
…ふふ。
"器"と言えば、ガブリエル。
背格好とその佇まいに華があると感じました。
機械らしい所作や表情は見事です。
ラストの演出が鮮やかで、美しかった。
そして所作という点では、ドルガも。
神格化され、ピンに照らされて揺らめくシーン。
奇麗でした。
…と、ここまで色々と誤解を恐れずに手前勝手書いてきましたが、批判をしたい訳ではないということを、今更ながら明言させて頂きたく思います。
本当に素敵な物語でしたし、世界観でしたし
役者さんを始め、音響、照明、美術など、どこを切り抜いても素敵だった、その一言に集約されます。
舞台装置は少ないながらも美しく、侯爵邸の壁に据えられた華やかなランプや、上手側にたくさんあった中抜きの、鳥籠のようなセットも雰囲気がありました。
何より、物語が謎という迷宮に迷い込んでからというもの扉を開く手掛かりを見つけてその謎を抜けても、次々に現れる謎という扉。
それらを開け放ち出口へ、物語がラストへと駆け抜けてゆくそのスピード感は、やはり"ツイステッド"の冠にふさわしく輝く素晴らしいものだと感じました。
最後の謎の残光の残し方はGaston Lerouxらしさがあってとても良かったです。
劇場を出てもしばらく心にずっと響き残るような美しさでした。
主宰様
役者の皆様
スタッフの皆様
制作の皆様
お声を掛けてくださった都さん。
万全を期した対策を打ち、
素敵なひと時を過ごさせて頂けたことを
心より嬉しく思い
この世界を共有出来たことを
心より幸せに思います。
『GRAND GUIGNOL
“La Machine” & “Le Fantôme de”』
大成功を確信します。
ありがとうございました。
拍手、拍手!
SykA.
