2024年度の文部科学省の調査によると、高校生の不登校は67,782人とされています。高校生の場合、学校を休む間に「アルバイトをしたい」と言う場合があります。

 

「学校に行っていないのにアルバイトをさせていいのだろうか?」と悩むご家族も多いと思います。

 

今回はアルバイトのメリット・デメリットについてお伝えしていきます。

 

【高校生の不登校の推移】

 

この記事を書いた人
▫️大人のひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️高校中退者の学習サポートやキャリア支援を行う

1. 不登校のアルバイトについて

労働基準法においては原則として15歳に達した日以降の最初の3月31日が終了するまでは労働は制限されます。ただ特定の仕事(新聞配達や演劇など)は認められることもありますが、コンビニや飲食店で働くことについては、中学校を卒業してからとなります。基本的には中学生はアルバイトはできないと思ってください。

 

高校生になると深夜業などできない職種や時間帯があるものの、アルバイトは認められます。不登校に限らずアルバイトをする高校生は多いです(私もやっていました)。

 

高校で不登校を経験するお子さんも「アルバイトをしたい」と言うケースは多いです。

そこでご家族に出てくる疑問が「学校に行けていないのにアルバイトをさせていいのか?」ということです。

 

まずは生活リズムを安定させて、学校に通えるようにしてから、勉強面も安定させてそれからではないか?と感じられると思います。

 

あくまで私の意見という形になりますが、私は「不登校中のアルバイトは、むしろやっていい」という立場です。

 

一般的に不登校状態になると無気力状態になるケースが多いと言われます。部屋にひきこもり、昼夜逆転し、食事の量も減ったり、過度に増えたりします。それまで楽しんで取り組んでいた趣味もやらなくなります。話をしても口数が少なく、急に気持ちが沈んだり、荒れたりします。

 

しかし「アルバイトをしたい」という気持ちが持てるのは「何かをやりたい」という気持ちの証しと言えます。無気力になっている状態ではありません。気力がある状態ですので、この気持ちは尊重することが大切と考えています。

 

しかしながら親御さんがご心配されるのももっともです。ここからは不登校のアルバイトのメリット・デメリットを整理していきましょう。

 

2. 不登校のアルバイトのメリットについて

  ① 社会を知ることができる

 

一番大きなメリットは、学校以外の場所での社会経験をリアルに積むことができることでしょう。

 

仕事をするということは、そこに金銭が発生するということになります。金銭が発生するということは、責任が存在することになります。

 

特に高校生のアルバイトの場合その多くが飲食店やスーパーなどのレジや品出しになるでしょう。お客さんに対応することも多くなります。お客さんにサービスを提供する責任が生まれます。言葉遣いはもちろん、身なりもきちんとしなければなりません。

 

またお客さんだけでなく一緒に働く同僚や先輩、上司に対してもマナーを持った対応が必要になります。

 

学校でもある程度のマナーを学ぶことはできますが、学校で先生にタメ口で話してもそこまで注意されることはありません。しかし仕事は違います。学生ノリで勤めることはできないのです。

 

こういったマナーの経験を積めるのは、アルバイトが最適と言えるでしょう。

 

  ② お金の価値を実感できる

 

これまで親からお小遣いをもらって生活していたのとは異なり、自分でお金を稼ぐことで、1,000円稼ぐためにどれだけの労働をしないといけないのかが身に沁みてわかるようになります。

 

親にせがんでもらう10,000円と、自分で稼ぐ10,000円は同じ金額でも、そこに詰め込まれた価値は異なります。

 

最低賃金で働くとして、10,000円稼ぐには、ほぼ丸一日8時間ほどの労働を提供する必要があります。

 

休憩はあるものの、それ以外はずっと仕事です。お客さんへの対応、商品の管理、お店の掃除、それだけのことを8時間やってやっと稼げる金額なのです。せがめばもらえていたお金に、親がどれだけの努力をしていたかを実感できるようになります。

 

働いた経験のない人は、お金の価値をあまり理解できていない場合があります。アルバイトを経験することで、簡単にお金が手に入るわけではないことを認識できるようになります。

 

また、ある程度の収入を自分の力で得ることで、多少高価なものも購入することができます。親に買ってもらうのと、自分で稼いだお金で買うのはその価値がまた異なります。自分で買ったものならば、より大事にするでしょう。

 

  ③ 学校とは違う人たちとの関わりが増える

 

学校で出会う人というのは、せいぜい自分と同級生か1~2歳離れたくらいの人しかいません。先生にはさまざまな年齢の人がいますが、その人数も限られますし、授業以外で先生と話すこともそれほど多くないでしょう。

 

仕事をすると、さまざまな年齢の人がいます。同年代もいれば、年配の方もいます。自分の両親と同じくらいの年齢の人もいるでしょう。

 

学生もいれば、家計の足しに働く人もいます。子どもが小さいので、時短で働く人もいます。そこには社会の縮図が存在するのです。これは学校では経験できるものではありません。

 

いろんな年代の人と関わることで、いろんな生き方があることも学びます。人生は一本の道ではなく、多様に広がっていることも実感できます。

 

  ④ 学校の価値を再確認する


これは意外に思われるかもしれませんが、アルバイトをすることで、学校の存在価値に気づけることもあります。

 

アルバイトをして、さらに学校の課題をする、となるとなかなか大変です。アルバイト先には、自分で稼ぎながら勉強をする人もいるでしょう。そういった人を見たり、自分も体験することで「勉強や部活動、友達関係に十分に時間を割けるのは実は恵まれていることなんだ」ということに気づくきっかけになります。

 

働くよりも学生の方がよほど気楽だ、と思えることもあるかもしれません。学生というのは実は恵まれている存在です。働くことを経験することで、このことに気づくこともできるのです。

 

3. 不登校のアルバイトのデメリットとその対策について

ここからはデメリットについて述べていきます。ただ私はアルバイトには賛成の立場なので、デメリットとともにその対応策についてもお伝えします。

 

  ① お金の使い方が荒くなる

 

お金を稼げるようになると、使い方にも変化が出てきます。これまでお小遣いでは手が出なかったブランド物を購入することもできます。

 

しかしながら、いつかは自分で稼ぐときは来るのです。早い段階でお金の遣い方を学ぶことは悪いことではありません。金銭感覚を身につけてもらい、上手にお金を遣えるように教えることで、この問題はクリアできるのではないでしょうか。

 

対応:お金の遣い方のルールを決める

 
アルバイトを認めるかわりに、稼いだお金の遣い方に条件を出します。例えば3万円稼いだとしたら、半分は必ず貯金して、残りのお金でやりくりするようにする、というようなものです。
 
せっかく自分で稼いだので、好きなことに遣いたい気持ちがあるのも当然のことです。全部を貯金、ではなく、半分は貯金、残りで好きなように遣うというようなルールを設定します。
 
これは働きだしてからも必要な考え方です。給料を全部遣うのではなく、先取り貯金をして、残りでやりくりしていくのが上手なお金の遣い方です。
お小遣い貯金をつけ、何にお金を遣っているかを把握するのもいい機会なので取り組んでもいいですね。
 

  ② 人間関係でストレスを受けないか?

 
私たち大人はみんな知っているように、世の中にはいろんな人がいます。常識的に考えたらおかしい行動を取る人もいるかもしれません。また理不尽なことで怒り出す人もいます。
 
ただ、お子さんはいつかはそういった人たちとも付き合っていくのです。それが早いか遅いかの違いです。人間関係を学ぶ機会と捉えていきましょう。
 

対応:対人スキルや、ストレス対策を学ぶ

 

対応に困る人にどのように接したらいいか、怒りを感じたときの対応や、嫌な思いをしたときにどのように解消すればいいか。こういったことは、何も問題がないときには学ぼうとしないものです。

 

困っているからこそなんとかしようと思えます。いい機会と捉えて、ぜひ親がこれまで経験してきた方法などを教えてみましょう。困っているときこそ、耳を傾けてくれるでしょう。

 

ストレスは受けないようにすることよりも、受けたときにどのように対応していくかが大切なのです。

 

  ③ 学校に本格的に行かなくなってしまうのではないか?

 

アルバイトの方が自分に合っていると考え、学校に全く行かなくなり中退するということもないとは言えません。

 

ただ少なくとも私がお会いしてきた人の中で、アルバイトの方が楽しいから学校は辞めた、という人はいません。むしろ行き渋っていた学校に再び通い出す人の方が多いです。これはメリットのところで述べた「学校の価値を再確認する」ことにつながると考えられます。

 

働くよりも学校に行っている方が、よほど楽なのです。言われたことをやっていればいいですし、課題ができなくても激怒されるということでもありません。働くことに比べれば、学校は天国のような場所です。働けば働くほどのこの意味がわかってくると言えます。

 

対応:お子さんの気づきを待つ

 

親が特に何をする必要はありません。お子さんが自分で気がついていくことでしょう。ただどうしても不安がある場合は「アルバイトを認めるから、ぎりぎりまで休んでいいので、学校は行くように」と条件を出してもいいと考えます。

 

ただお子さんはきっと自分で気がつきます。私も高校の頃アルバイトに憧れて夏休み1ヶ月取り組んだことがあります。やってみて気がついたのは「いずれ働くのだから今は働かなくてもいいのではないか?」ということです。やってみて初めて気がつくことがあります。

「学校の方が楽だな」と思えたら、行き渋りは減っていくでしょう。

 

最後に

 

アルバイトはデメリットよりもメリットの方が大きいと感じます。不登校中のお子さん(不登校でなくとも)がやってみたいと言ったら、許可する方向で考えていきましょう。

 

やりたいと言っていても、具体的に話が決まり出すと「やっぱり今はいいや」と学校に通い出すケースもあります。まずは受け入れることの方が重要です。

 

すぐに辞めてしまうこともあるかと思いますが、それも経験です。やってみないとわからないことです。

 

お金の遣い方を教えることや、トクリュウなど反社会的な仕事は論外ですが、それ以外の仕事は応援する方向で考えてみましょう。

 

アルバイトを経験することは、お子さんの自信を高める効果もあります。お子さんが許可を求めてきたら、認める方向で考えてみましょう。

 

【初めての方に限り30分無料カウンセリングをご利用いただけます。

詳細はこちらからどうぞ👇】

 

 

フォローしてね

 

■お問い合わせ■

\小冊子プレゼント!!メルマガ登録はこちらからです/

なかがわひろか メルマガ登録

  

【LINE公式はこちらです!】

\ひきこもりや不登校に関するお役立ち情報をお送りしています。/

無料小冊子をプレゼント中です!

OFFICE NAKAGAWAは兵庫県にある不登校・ひきこもり専門のカウンセリング+家庭教師のオフィスです

 

▶︎ホームページはこちらです

 

 

【ブログ著者:なかがわひろかについて】
 
プロフィール写真

■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市・京都府でスクールカウンセラーならびに、看護専門学校にて発達心理学の講師を務める

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。小中高生や、PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

【初めての方に限り30分無料カウンセリングをご利用いただけます。詳細はこちらからどうぞ👇】