↓↓ここから本文です。
-----------------------------------------------------------
心理学を学び始めた大学生と
話をしていると
「理論を信じきっている」と
感じることがあります。
心理学にはいろいろな「理論」があります。
心理学は実証が必要とされる学問です。
そのため各種の実験が行われ
「科学的に」証明されたものが「理論」になります。
となると「理論は信じてもいいんじゃないか」と
思いがちです。
確かに物理学のように「物を投げれば下に落ちる」のは
地球上のいかなる場所でも実証が可能です。
そのために「地球には重力がある」という理論が成り立ちます。
ただ心理学はそこまで万能の結果を導き出せるわけではありません。
100人いたら3割くらいの人が行う行動を
「理論」にしてしまっているところがあります。
例えば子どもたちのやる気を促進するために
「内発的動機付け(自分でやる気を持つこと)が重要だ」と
言われます。
さまざまな研究からも、内発的動機付けについては
ある程度証明されています。
しかし、それはあくまで理論に過ぎず、
実際は「人からやれと言われてやったら面白くなって続けている」
こともあれば
「先生からやれと言われたから仕方なくやっている。」こともあります。
大人の仕事においても
やりたいことだけをやっているわけではありません。
内発的動機付けは大事だけれど、
現実的には外発的動機付け(他者からの働きかけで行うこと)も
重要なものになります。
頭でっかちで理論を丸ごと信じてしまうと
すぐに見誤ってしまうのです。
それが心理学の持つ危ういところであり
しかし危ういからこそ愛おしいところでもあります。
理論を学ぶことは大事です。
ただ理論を疑う目を持つことは
もっと大切なことです。
ノーベル賞を受賞した山中伸弥さんは
受賞の際にこのように言いました。
「先生を疑え。教科書を疑え。」
理論に振り回されるのではなく
理論を疑い本当にそうなのかと考えること。
そして身の回りのことに目を凝らして
自分なりに考えていくこと。
ことカウンセリングに関しては
このような目線を持つことが欠かせないのです。
この世に理論通りの人なんていないのです。
理論に振り回されることは
人を見ていないことと同じなのです。
学ぶことは大切です。
しかし疑う気持ちも忘れないようにしたいですね。