先日10月22日に、文部科学省から「令和元年度(2019年度)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」が発表されました。(参考:文部科学省)
【小・中・高の不登校の内訳 ※( )は昨年度】
小学校:53,350人(44,841人)
中学校:127,922人(119,687人)
高校:50,100人(52,723人)
となっています。
高校生の不登校数は減りましたが、小学校、中学校は2012年から増え続けています。
少子化が進み、年々児童・生徒数は減っているのですが、不登校は増えています。
ちょっと前までは中学生の不登校は「クラスに1人」くらいだったのですが、今はその数字はクラスに2人に変わろうとしています。
保健室投稿や、職員室に挨拶に行って帰るとも合わせるとさらに増えます。
一般的には「不登校が増えている。大問題だ」と捉えられるかと思います。
ただ一概にそうは言えません。
学校に行けない子どもたちを尊重する動きが出てきている証左でもあると考えるからです。
いじめの認知件数と同じで、多いからダメだ、ということではありません。
それだけきちんと報告されているとも捉えられます。
今の時代は、学校に行けない状態になったとしても、
セーフティーネットが少しずつですが整備されつつあります。
「学校に行く」という視点を持ちながらも、
「行けない場合でも、大丈夫」という世の中にシフトしている段階でしょう。
ただ(毎年のことですが)、気になる項目があります。
不登校の要因において、小中高で最も高いのが
「無気力・不安」というものです。
小中で39.9%、高校で33.8%という数字になっています。
昔は「本人の問題」とさらに大枠でくくられていたのでそれよりはましなのですが、
それでも「無気力・不安」で一括りにしてしまうのはあまりに乱暴です。
例えば、学校に対して何らかの不安があり、
「明日こそは行こう」と思っていても行けなかった。
それが続くことで「無気力」になる場合があります。
また何事にもやる気が起きず(無気力)、学校を休むうちに、
長期化しそれによって学校に対して不安が生まれるという場合もあります。
「無気力・不安」で一括りにしてしまうと
実態が見えづらくなります。
朝起きづらい人もいれば、
学校で食事が取れない人もいます。
朝になると頭痛や腹痛が起こる人もいれば、
夕方になると元気になる人もいます。
要因分析は確かに難しいものですが、
公的な統計で出されると「それが理由だ」と鵜呑みにしてしまう人がいるのも
また事実です。
項目を見ていても、
不登校は本人と家族の問題であると結論づけることを前提としているのではないかと
疑いたくなるものです。
「学校に係る状況」の項目が多く、数が分散してしまうことで、
項目数が少ない「家庭に係る状況」「本人に係る状況」に
回答が集中し、そこに偏りが生じる質問項目になっていると感じます。
要因については、容易に結論づけてはならないのです。
簡単に説明してしまうと間違った対応を生み出すからです。
この点については、さらに細かく分析できるようにする努力をしてほしいと感じるところです。
統計データは、何も考えずに読むと、
偏った結果に陥る場合があります。
その背景を考えながら、また調査の仕方を考えながら読み込んでいかないと
誤解を持ったまま対応することになってしまいます。
そして何より大事なのは数字ではありません。
今目の前で困っているお子さんやご家族がいるということ。
統計には現れない生の声にちゃんと耳をすます社会であってほしいです。
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