「自分には自信がない。だから何をするにも、準備をしないと不安になる」

 

 

自分に自信が持てず、不安が先立ってしまう性格の方もいます。

 

 

アメリカの心理学者であるノレムさんたちが唱えた説に「防衛的悲観主義」というものがあります。

 

 

これは、過去に実績があるにもかかわらず、これから起こることに対して自信が持てない

性格傾向のことを言います。

つまり、過去にうまくいったことがあるにもかかわらず、次もうまくいくとは思えない状態です。

 

 

これだけ聞くといいイメージを持てないのですが、話は続きます。

防衛的悲観主義の人の方が、不安を感じるため、準備を怠らず、成績が「良くなる」と言われます。

 

 

例えば、受験勉強をして模試でも良い成績を取っているけれど、

「模試と受験は違うから。A判定を取っていても落ちるかもしれない」と不安になり、

より一層努力し合格を勝ち取るというものです。

 

 

悲観的な性格だからこそ、努力を怠けず、成果につなげられるのです。

 

 

教育心理学を専門とされている榎本博明先生は著書「教育現場は困ってる」の中でこう述べています。

 

 

不安が強いからこそ、好成績につながるような準備がしっかりできるのである。

不安をかき消すために必死に頑張っていた人の不安がなくなると、準備が適当になってしまう。

 

さらに、榎本先生は「認知的複雑性」の観点からも述べています。

「認知的複雑性」とは、さまざまな視点から物事を捉えることです。

特に日本人はこの傾向が高いと考えられています。

 

 

認知的複雑性が高いため、不安が強く、自信たっぷりになれないので、

とりあえず自分の視点があったとしても、もっと違う見方もあるかもしれないと、あらゆる視点を探ろうとする姿勢を取ることができる。ゆえに、思考が深まる。

(榎本博明「教育現場は困ってる」

 

自信満々で、断定的に物事を話す人は頼り甲斐があるように見えます。

しかしよくよく話を聞いていると、極端に偏った意見である場合があります。

雰囲気に飲まれてしまっているだけで、内容がともわなっていないのです。

 

 

自信がないからこそ、努力し、

自信がないからこそ、さまざまな意見を受け止め、さらに自分なりに深く思考する。

この力を持つことの方が重要ではないでしょうか。

 

 

自信がないことは、必ずしも「悪いこと」ではありません。

「自信がないからこそ」できたこともあります。

 

 

無理に自信を持とうと思っても、なかなかできることではありません。

それよりも「自信がないからこそ、努力できている」と認めることの方が

大事なことです。

 

 

ご自身の性格を否定することはありません。

最後にこの言葉を贈ります。

 

不安や自信のなさが、さらなる学びのモチベーションとなり、視野の広がりや内面の充実につながる。

自分の視点に自信を持つのは、もっと後になってからでいい。

小さくまとまることは成長の妨げとなるだろう。

(榎本博明 同著)

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