全国のヤクザに押しかけられ、評判を落としつつあるホテル・ヨーロッパ。その総支配人(宝田明)は改善のために若手社員にヤクザ対策をさせるが、脅しに負けて金を払うなど、むしろ逆効果に。ついに外部からミンポー(民事介入暴力)専門の弁護士、井上まひる(宮本信子)を呼び、ヤクザに立ち向かうことになるが…
不屈の映画監督、伊丹十三脚本監督作。ヤクザを庶民に迷惑をかける悪として徹底的に描き、実際に公開直後に監督がヤクザに切り付けられ、映画館のスクリーンがヤクザに切り裂かれる事件が起こるなど、ヤクザの恐ろしさを観客に知らしめた作品です。
冷静に見ると、かなり怖い話であり、情け容赦のないバイオレンス表現もあるのですが、全体的にコメディとして撮っているので娯楽映画として楽しめます。しっかりヤクザの罠に嵌ってしまう宝田明のおとぼけ、アップの怒鳴り顔が何故か面白いヤクザ中尾彬、ヤクザにしか見えない刑事役の渡辺哲、そして小松方正、伊東四朗など味のある役者がそろってヤクザに扮しています。そしてマルサの女同様に、力強く敵に立ち向かう弁護士宮本信子は言うまでもなく拍手喝采の痛快さ。見どころがみっちり2時間詰まっており、全く飽きさせません。横暴なヤクザを追い出し、良いホテルを取り戻せ!宮本の力を借りながら物語が進むにつれ成長していくホテルマンたちのドラマに勇気を貰える、良質の娯楽映画です。
