■ 知育偏重から慈愛の子育てへ 33-②
『NHKお母さんといっしょ「こんなこいるかな」制作』

 それは読み聞かせの”繰り返し効果”と、一ヶ月待つ間のイメージ増幅効果”であろう。子どもは好きな絵本は繰り返してみる。読み聞かせにおいても同様。お気に入りのお話は何度もせがむもの。繰り返し聞くことによって理解は深まり子どもはお話の世界にどっぷりつかる。さらに、雑誌連載のお話は絵本と違い”つづく”で、終わるからお話の先を予想する楽しみがある。でも予想は予想。つづきを知るためには待つしかない。
 欲しいものがたやすく手に入り望みが叶えられてしまう昨今”待つこと”は今やとても大切なことに思えてならない。お話の展開をあれこれ想像しながら母と子で話す。イメージが膨らむ。待つ間に知らず知らず想像力が育まれていく。これが大きい。想像力は創造力に通ずるのだから。
 
文)有賀忍 2008年 有賀忍展ー『父は星・母は花 童心の風景』より