数日前、ある長い付き合いのあるやつが、オイラんちに訪ねてきました
かつて、ともに拳法を学び、一緒に遊んだアホです
仮りに、雲助とでも呼びまひょーか

雲助「まだ生きてたのか、しぶてぇな」
福隊長のザク「帰れ」
雲助「まあまあ。実はよ、昔、森の中で桜の木みつけたことあるよな?」
福隊長のザク「覚えてねぇーけんど・・・」



覚えてるもなにもねぇ、思い出の地だっつーの


あの日、師匠が会社の出張で練習見に来れなくて、オイラたち六人だけで集まってたときのこと
足腰の鍛錬つって、森の中を突き進み、思いっきり道に迷っちまった
まだ幼いオイラたちは途方に暮れることもなく、さらに奥に進み、だんだん薄暗くなって、いよいよヤバいと思う気配になってきた

福隊長のザク「わかんなくなっちったなぁ、明日学校だから帰りたいんだけんど」
雲助「みんな何かしら用があるだろう。俺も同じだ」
オイラの元カノ「このへん、捨て犬多いのよね。野生化してなきゃいいけど・・・」
福隊長のザク「おし、犬くんたちに道案内してもらおう」
元カノ「獣語話せるの?」
福隊長のザク「心は通じてるハズだ」
雲助「無理だから、絶対」

不安を隠すように、アホな話をするオイラたち。だが、焦りでイライラしてくる者もでてきた
それをなだめる大学生の先輩
森に入ってすでに、方角なんて気にせず、右に左にテケトーに進んだせいか、来た道なんてさっぱり
高い杉の木で、太陽の向きもわからず、こりゃ~野宿せにゃいかんだろなぁ~、明日になんねぇーと警察とか地元の消防団の捜索してくんねぇーだろなぁー、なんて考えてたら目の前になんと!
桜の木が一本、しかも花は満開に咲いてた

福隊長のザク「おおお!」
元カノ「きれい・・・w」

などと元カノの感動とは裏腹に、ガキどもは木を蹴り始めた!
バキバキバキ!

福隊長のザク「散らせ散らせ!」
雲助「うはははははははっ!」
先輩「やめろ!蹴るんじゃない!」

ホント、ラッキーでした。やっと太陽の見える位置についたんですから
地元である元カノの進言で、太陽に向かって西に進むと、さらに奥に行ってしまう。直角に南に行けは国道に出られるそうな
ま、しかし、森の中をまっすぐ進むのは無理。陽が沈むまで1時間は軽くきっている。右頬に光が当たるように、なるべくまっすぐに進むことで、なんとか広い道にでた
後日、またみんなで桜の木に行った
そこで雲助から提案があった

雲助「靖国神社みたいに、俺らも死んでからここに集まらないか?」
福隊長のザク「いいねぇそれw」
雲助「それでよ、死んだとき骨を分骨してもらって、ここに埋めるってのはどーだ?」
一緒に来た誰か「さすがに家族のひと許可してくれないよ」
雲助「そ、そっか。そうだよな」
先輩「何かかわりに、思い出の品なんてどうだろ」
福隊長のザク「それいいっスね!w」

かくして、それぞれ思いいれのある物を埋めることになった
オイラと元カノは、二人で抜け駆けして埋めに行った
オイラは真鍮で出来たヌンチャクのキーホルダー。元カノは未来のオイラたちにあてた手紙(ほんっとガキだねぇw)を、アルミ缶に何重にもビニールテープを巻き、絶対に水が入らないよーにフタを閉めた




・・・

福隊長のザク「で、その木がどーしたぬ?」
雲助「いやさぁ、まだ枯れずにあるかなと思ってさ」
福隊長のザク「したっけ見てきたらがっぺ(訳:そうしたら見てくればいいじゃない)」
雲助「それがね・・・」

捨て犬が案の定なことに野生化し群れを成しているのと、数年前には熊が出たと大騒ぎになった場所であるため、一人では行きたくないようだ

福隊長のザク「食われてきっちめぇな」
雲助「だからそれヤだから誘ってるんだろ」
福隊長のザク「そりゃ熊の話は知ってるけんど(元カノの地元だし)」
雲助「獣使いのザクがいれば安心だろ?」
福隊長のザク「いあ動物は好きだけんど、別に操ったり出来るワケでねぇべ」
雲助「そんなわけだから」
福隊長のザク「どんなワケだよっ!?」
雲助「夜桜見物と洒落込もうw」


しかし、オイラの空いてる日は、ことごとく雨。しかもドシャ降り
中止が続き、ひとつきもすれば、ほとぼりも冷めるだろーとタカをくくっていたら

コンコココンコン、コンコン

昨日の夜中の11時くらい、窓を叩く音が聞こえました
とりあえーずサンダルを履き、ティーシャツのまま外へ出ると・・・



雲助と、かつての仲間二人に手足を持ち上げられ、トランクに押し込まれた!



世間じゃこーゆーの、拉致と言うんですよ?
サイフも携帯も持たず、1時間ほどで後部座席に移動し、そのまま現地に連れてかれました

向こうでアホ三人と合流。六人で行くこととあいなりますた。人格者の先輩がいないのは、ちと不安ではありますたが

雨はやんでいたが、木の葉から滴が落ち、いくらバカでもティーシャツ1枚では風邪をひくってんで、カッパを着て森に潜入
ゴリラナビでおおよその位置を把握し、10kmほど歩いて思い出の桜の木に到着
あんまし来たくなかったなぁ・・・
西側の枝が咲いてるくらいで、あとは枯れてんだか、まだ芽なのか暗くてわからない
昼間にすりゃいいのに、ねぇ・・・
ま、野犬に遭遇したワケでもなく、埋めた宝の位置がわかるワケでもなく、ゴリラナビに座標を登録し、後日ゴリラナビの持ち主がトライアルバイクを借りて確認しに行くこととなりますた

めでたし~、めでたし~


めでたくねぇーよ!こんちくしょー!!