今回は、問題を解く際の基本的な事項に気がつかされました。

それは、誰の立場で判断するのか?ということです。


設問(1)は想定される拒絶理由とその措置という基本問題です。

しかし、私は自分を客観的な立場(いわば真実を知っている神様の立場)で考えたために失敗しました。

すなわち、真実を知っている神が、意匠Aと意匠Bが類似と判断したのだから、3条1項3号の拒絶理由が通知されるのは当然である、と考えます。

そうすると、類似する、と言ったわけですから、これに対して意見書で反論する、なんてありえないわけですし、これに反論することは自己矛盾、エストッペルに値する、と考えました。

しかし、題意は当然異なります。あくまで想定される拒絶理由ですから、神の立場で判断する必要はなく、あくまで人間である、審査官からどのような拒絶理由通知がくる可能性がありますか?というのが題意です。すると、本当は類似しないのに、審査官から類似する、と通知されることがあるわけで、極端なことを言えば、何でも通知される可能性があるわけです。そうであれば、いくらでもこれを解消するために意見書で反論できるわけです。すなわち、この種の問題では、神ではなく人である審査官様が、どのような間違った拒絶理由を通知することが想定されますか?と考えなければなりません。それが題意であって、お受験のテクニックなのです。

よって、今回は類否判断基準、意見書で反論、等の模範解答の記載はできるはずがなく、大幅な減点となってしまいました。


設問(2)は初めてですが、準特35条4項、5項の職務意匠補償金請求事件にからむ問題です。これは実務でかなりやっていますのでほぼできましたが、最近の本試でここまで論述させる問題がでますでしょうか?ポイントは4項は使用者等が訴えられないように、手続き面で担保するための規定だが、項目はあくまで例示であること、また対価の額も考慮されること。6項は手続き等が不合理であってもこれらを考慮して妥当な対価の額を算出できる点ですね。


設問(3)は侵害系被告パターンですが、意匠の先使用権では製造という行為を、意匠の実施事業の準備と考えるか、事業そのものと考えるかは難しいですね。2条3項的には実施なのですが、「事業」が入ると製造=事業準備、販売=事業実施 とした方がメリハリがつきますね。


今回は設問(1)での失敗がいい勉強になりましたので、順位はそれなりです。

170位/486人



今回の答案返却で第1問だけなぜか、オリジナルではなくコピー、しかも再度添削して後ほど返却しますとのコメント。

こんな経験は初めてですね。「受講生の復習には不十分」との理由ですが、何かあったのでしょうか?

少なくとも、今回、採点答案がWチェックされていることが図らずとも判明いたしました。

でも、このような対応は大変好感が持てます。確かに、ライバルの某大手予備校の採点は採点者によるばらつきが激しい印象なのに比べて、Wさんは厳し目の採点ですが、基準が安定していますし。

ますますWのファンになりそうです。もっとも、本音は早く合格してお別れすべきなのですが(;^_^A

今回の問題自体はそれほど難しくはなかったのですが、問題文の読み落とし、題意把握ミスが頻発する反省すべき結果となりました(ノ_-。)。


第1問

設問(1)は実用新案出願直後における取り得る措置。出願変更、分割、補正等を挙げればよいのですが、出願変更での決め打ちが題意だったようです。ここで意外だったのが模範答案、解説答案、優秀答案、講評のいずれも、出願変更後の発明の単一性(37条)について触れていませんでした。私がこれを記載した点について、採点では特にコメントされていませんでしたが、そんなにレアですかね。物とその製造方法なんですが。

設問(2)(a)は実用新案登録後の措置。実用新案登録に基づく特許出願において、専用実施権者がいるときは、46条の2第4項とともに、97条1項も根拠に専用実施権者の承諾が必要な点は、巷の基本レジュメでも抜けていますので要注意ですね。しかし、これは立法ミスのような気もしますね。両方の条文を適用する実益がないですから。なぜ、実用新案権を放棄したものとみなす、と立法しなかったんでしょうか?

設問(2)(b)は専用実施権権を設定した場合の、特許権者の差止め請求人適格、という有名論点でしたが(2)(a)と独立した問題、と考えすぎて、専用実施権者がいる点を完全に落としてしまいました。これは致命的なミスです。知っている論点であったために、非常に悔しい思いです。反省(`Δ´)。


第2問

設問(1)は共同発明か否かにおける出願時の留意事項。私は共同発明であるとして決め打ちしました。その方が得点効率がいいですから。しかし、題意は両方書かせたかったようです。発明者でないものが「無断で」新規性を喪失させたことを認定し、30条2項を書かせたかったようです。

設問(2)はパリ優先権と拒絶理由。ここでも見事に題意把握ミスをしてしまい、優先期間中の第三者出願の拒絶理由を書くべきところを、出願人に拒絶理由がない点を記載して終わってしまいしました。でも、形式上、出願人の拒絶理由を記載するところまでは正解ですので、ここまでは間違いではなく見えます。なぜか結論に達していない旨のコメントが書かれませんでした。ラッキー!でも得点乗らず、といったところです。ここも反省\(*`∧´)/

設問(3)は50条の2の通知と補正制限を問う問題。ここではまたもや「特許請求の範囲の限定的減縮」を正しく理解していないことが明らかになりました。「A+B」を「A+B+C」にする補正は、一般には減縮だが限定的減縮にはあたらない、すなわち、下位概念とする補正ではなく外的(直列的)付加となる、と考えるべきでした。「A+B」を「A+B’」(B’はBの下位概念)とすれば、限定的減縮ですね。基本です。正確に覚えましょう。


今回はこのようにミス多発につき、順位は伸びませんでした。

第1問:131位/467人

第2問:51位/466人(ランクイン)

合計 :82位/466人



本日、田村先生の「論点解析・知的財産法」に取り組みました。

さすがに、大学の先生の本は読みやすい。論旨がすっきりしています。もっとも、弁理士試験の範囲を超えた難問ばかりですが。


この中で、方法に係る発明の一部実施について、侵害を問えるかの論点がありました(特許法4)。

甲の特許権は(1)時計用文字盤用の電着画像の製造工程+(2)これを文字盤に貼付する工程

からなり、乙は、(1)の工程により(2)の工程のみに使用する電着画像を製造、他の業者に譲渡している。

他の業者は(2)の工程のみを実施し、文字盤を製造、販売しているとき、特許権者甲は乙に対して差止請求できるか?という問題です。


田村先生の模範答案では、乙は業者を道具として使用しているのに過ぎないのであるから、実質的に乙は直接侵害と評価できる、としています。


私は、甲の特許権は「物を生産する方法の発明」と評価できるのであるから、業者は文字盤の販売により、2条1項3号の直接侵害を構成する。したがって、乙の行為は、101条4号の、方法の使用のみに用いる電着画像を製造しているのであるから、間接侵害を類推適用し得る、と考えました。

ちなみに、田村先生は折衷説の立場のようですが、本問では、業者は方法の発明について直接侵害とならないのであるから、乙は間接侵害も成立しない、としています。


みなさんはどう考えますか?